壺山建設株式会社 木下 和起の仕事
「あたりまえ」を徹底した
安全な現場づくりに注力。
修成を卒業して34年。これまでさまざまな造成工事やゴルフ場工事、道路工事などに施工管理として携わってきました。2011年からは事業本部工事部(大阪)の部長となり、主に得意先の見積業務などの対応にあたるほか、複数の現場を管理しています。現在は大阪府で1か所、兵庫県で2か所の工事現場に加え、兵庫県と京都府で2か所の採石場関連の現場を担当し、それぞれ月2回以上の安全パトロールを行っています。その際に当社の現場責任者に現場の状況や問題点をヒアリングし、改善方法などをアドバイスしたり、必要であれば得意先とのやりとりを行うのが私の役割です。
今回の現場は、中国自動車道と兵庫県の県道42号(尼崎宝塚線)の交通をより安全で円滑にするための宝塚ICランプ橋工事。現状のONランプを平面交差から立体交差に変更する工事で、完成後には慢性的な渋滞の解消が期待されています。その中で、私たち壺山建設は橋の下部にあたる橋脚や橋台に加え、土工事、擁壁、排水構造物などの工事を担当。
交通量の多い県道に隣接して行うため、一般車両や通行する人々の安全に特に注意する必要があります。例えば、強風による資材の飛散や、仮防護柵の転倒、重機やクレーンと一般車の接触、クレーンの吊荷の落下など、考えうるリスクを洗い出し、元請け企業とともに安全対策を実施しています。さらに、当社の現場責任者が主体となり、現場内の整理整頓や点検・確認、作業手順の作成と周知を通して安全対策に努めています。今後もしばらく県道に近接した作業が続くため、当社が掲げる「あたりまえのことを きちんと守ろう!」のスローガンのもと、現場のスタッフと活発にコミュニケーションしながら現場のサポートに努めたいと考えています。当社は施工管理を行う会社で、得意先である元請け企業と作業者の橋渡し的な存在でもあります。安全や品質の管理を徹底し、「壺山さんに仕事をしてもらってよかった」という言葉をいただくのが嬉しい瞬間です。
私は普通科の高校出身で、進路を選ぶ際に何か国家資格を取得したいと考えたことが建設業界に進んだきっかけです。建設業に強い興味があったわけではないのですが、当時は好景気で建設への投資も右肩上がりだったことから、土木の資格を取得できる修成に入学しました。遥か昔のことなので、学生時代の細かなできごとはあまり思い出せませんが、今でもずっと連絡を取り合う仲間ができたことがよかったですね。そして当社に入社したのは、土木専門会社ということと、重機の土工事に興味を持ったから。入社2年目の神戸市北区のフルーツパーク一次造成工事では、初めて大型重機を使用した工事を担当しました。60tを超えるブルドーザーが現場を行き来し、山を切り崩して谷を埋め、みるみる平坦な土地ができていく様子に驚くばかりだったことを覚えています。他にも造成工事や数々のゴルフ場の工事にも携わりましたが、やはり重機が何台も稼働している土木の現場の壮大さに魅力を感じます。他に、2012年の笹子トンネル天井落下事故の復旧にも従事しました。普段の工事現場とは異なる状況の中、さまざまな職種の作業員が昼夜作業する様子を目の当たりにし、改めて建設業界は暮らしや経済活動を支え、災害からの復旧にも貢献するなど社会に不可欠な存在だと認識した現場として印象に残っています。
ICT施工・無人化施工からの、次なる劇的な進化に期待。
私は30年以上にわたり、業界の変化も体感してきました。休日の増加や福利厚生の充実など働く環境の改善が進んだほか、コミュニケーションの面でも昔ながらの厳しい上下関係は少なくなり、若手が気軽に上司と話せる時代になりました。そんな中でも、最も大きな変化はデジタル化でしょう。若いみなさんには想像もつかないと思いますが、私が社会人になった34年前にはスマートフォンどころかパソコンもまだ普及していませんでした。社会全体の劇的な変化とともに建設業界でもデジタル化が進み、業務効率が格段に上がったと実感します。特に最近導入が進んでいるICT施工は、測量、施工、出来高管理などの作業時間短縮に役立っています。
さらにマシンコントロールつきのICT建機を活用すれば、これまで熟練工にしかできなかった施工が経験の浅い技術者でもできるようになりました。多くの業界と同じく、人手不足は建設業界でも課題となっているため、ICT施工の普及は大きな助けとなっています。近年は無人化施工も進みつつあり、今後も想像もつかないような技術の進化があるのではないかと期待しています。
2021年、当社は創立70周年を迎えました。将来も事業を継続できるよう後進の育成を行い、微力ながらも施工技術を継承していくことが私の目標です。土木工事は大きなものづくりの一つであり、よく言われる「地図に残る仕事」にも携われます。決しておしゃれな仕事とはいえませんが、人々の生活に必要なインフラ整備にはなくてはならない存在です。その意味で、社会の役に立てる”かっこいい“仕事だと自負しています。この業界で、修成の卒業生は幅広く活躍しています。当社の後輩にも卒業生がおり、これまでにも数々の現場で卒業生に出会いました。ぜひ修成で学び、ものづくりの楽しさを味わってください。卒業後、どこかの現場でみなさんにお会いできることを楽しみにしています。
Works 01 中国自動車道特定更新等中国池田IC〜宝塚IC間橋梁更新工事(その1)
交通量の多い県道42号(尼崎宝塚線)から中国自動車道宝塚インターチェンジへの交差点を平面交差から立体交差へ。周囲の一般車両や通行する人々への安全対策を特に徹底し、橋梁の下部や擁壁など全体の土台となる工事を担っている。
Works 02 第二京阪道路(大阪北道路)打上地区改良工事
京都府久世郡久御山町と大阪府門真市を結ぶ第二京阪道路と一般国道の併設道路のうち、寝屋川市打上地区(延長約800m)の改良工事。土工事、管渠、擁壁、アーチ橋上下部施工の現場責任者を担った。
Works 03 (仮称)神戸フルーツパーク事業一次造成工事
現在「神戸フルーツ・フラワーパーク大沢」の名称で、フルーツ狩りや食事、遊園施設を楽しめる場として親しまれている道の駅。その建設にあたり、基盤造成工事、防災、調整池工事における測量業務などを担当した。
Profile
壺山建設株式会社
木下 和起 土木施工管理技士
1987年に修成建設専門学校土木工学科を卒業後、壺山建設(株)に入社。施工管理として多数の造成工事・ゴルフ場工事・道路工事など大型重機を用いた土工事に携わる。大阪本店の土木課、工事管理部を経て、2011年より事業本部工事部 部長に。得意先の見積業務など社内業務と並行して複数の現場を担当し、現場責任者と連携して安全対策を担う。1級土木施工管理技士。
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影響を受けた建造物
1つを選ぶのは難しいのですが、若手時代に多く目にした造成工事やゴルフ場工事といった大規模な現場が心に残っています。大型重機が何台も稼働するダイナミックな光景は、土木工事の醍醐味が詰まっていると思います。
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仕事への心構え
とにかく真面目にまっすぐに取り組み、地域の人々や現場で働くスタッフの安全を第一に考えること。会社がスローガンとして掲げる「あたりまえのことを きちんと守ろう!」を常に胸に留め、仕事に向き合っています。