以前、園芸店で働く女性を題材にした漫画『GREEN FINGER ー小花の庭ー』を描いた際、取材などで協力していただいた建材屋兼園芸店さんがありました。そこにニッカポッカをはいた造園関係の女性が出入りしていたり、重機がたくさんあったりしたことにヒントを得て、『ドボジョ!』は誕生しました。ストーリーは、その建材屋さんや重機のデモセンターで取材を重ねてつくり上げたものです。土木業界の魅力は、漫画にも出てきますが、何といっても「ここを自分でつくった」という達成感だと思います。もしかすると自分の人生よりも長く残ってくれるものをつくるってすばらしい。頭で考えているだけではものはできませんから、実際に人間の手足を動かして巨大なものをつくる点も大きな魅力ですよね。そういう世界があることを『ドボジョ!』を通じて多くの人に知っていただけたらいいなと考えています。
今回「修成×『ドボジョ!』座談会」を読んでうれしかったのは「女性にできる仕事は必ずある」と言ってくれていたこと。以前、自宅のキッチンのリフォームをした際、現場に男性しかいなかったことがありました。使う人の視点がないから、こだわるポイントがずれていたり、こちらの希望を理解してもらえなかったり。たとえばそういう現場では、女性の視点や力が必要ですよね。
そしてもう一つ、座談会の3名の方々がかわいくておしゃれなこともうれしかったです。ひと昔前まで、男性社会で働こうとする女性は、女性であることを捨てて、男性のようにふるまう姿が見受けられました。でも、それは必要ないと思います。私は作業服を着た人たちの中に女性がいるのを見ると本当にうれしくて、耳にピアスが光っていたりしたら、うれしさも倍増。ドボジョだっておしゃれを楽しんで、女性としての人生を楽しみながら働いていいと思います。土木業界に入りたいと考えている方々は、悩まずに飛び込んでみてください。ドボジョは確実に増えてきていますし、増えるほどに業界の空気も変わっていくでしょう。「仕事か家庭か」なんて天秤にかけず、結婚や出産といったライフイベントも経験し、それを生かして働き続けるドボジョが増えていくことを願っています!
島根県出身、O型。現在は兵庫県三田市在住。1993年、『Kiss』(講談社)のKiss新人賞でデビュー。土木業界で働く女性の仕事・夢・恋愛などを描いた『ドボジョ!』のほか、ガーデニングを題材とした作品など主に働く女性を主人公とした作品を描く。新作は女性の樹木医を主人公に物語が展開される『ウドの樹木医』。