建設業界で、日々奮闘する卒業生たちの仕事。
藤原:現在、僕は土木関係の事業を手がける建設会社で、施工管理技士としてトンネルや橋の補修工事に携わっています。今日はこの座談会に出席するために、和歌山の現場から飛んできました。みなさんはどんなお仕事をされているんですか?
松下:僕は電気や水道、内装などの工事を行う父の会社で働いています。自分を含め社員3名の小さな組織なので、一人当たりの業務の幅がひろく、できることはなんでもやっていますよ。工具片手に現場へ出ることもあれば、CADで図面をつくることもありますし、それから、個人宅への飛び込み営業もガンガンやっています。
喜安:すごい! マルチプレイヤーだね!
松下:職人でもあり建築士でもあり、営業マンでもありますからね。ひとつの工事に対して、自分が一から十まで関わっています。そういう喜安さんはどんな仕事をしているの?
喜安:私は地質や土壌汚染などを調査する会社で、ボーリングマシンの助手をしています!
川端:ボーリングマシンって、ドリルで地面を掘っていく機械だよね。
喜安:そうそう、それだよ! 専用の機械で地中何十メートルまで掘り進んでサンプルを採取します。そして、サンプルを分析することで、その土地がどんな地質なのかがわかるんです。
藤原:分析の結果によって、建てられる建物や工事の方法が大きく変わってくるんですよね。
喜安:有害物質に汚染されていないか、地滑りの危険性はないか、といったことも調査しています。
橋本:建設業界を支えている仕事なんだね。興味はあるけど、現場の仕事って大変そう…
喜安:オフィスでパソコンに向かっているよりも、外で体を動かしているほうが好きだから毎日楽しいよ。橋本さんは橋梁設計の事務所で働いているんだっけ?
橋本:うん。橋以外にも道路や公園の設計、補修などを行っている会社に勤務しているよ。ちなみに今、私が作成しているのは、橋の補修工事に使う損傷箇所を記した図面です。
藤原:そうなんですね! あの図面って独特ですし、細かい計算が多くて作成するのは大変じゃないですか?
橋本:もちろん簡単ではありませんが、分からないことがあれば先輩が丁寧に教えてくれるので、なんとかやっていけています。
川端:みんないろいろな場所でがんばっているんだなぁ。私はハウスメーカーの施工部門で施工管理技士として勤務しています。携わっている現場は戸建て住宅やマンションなどのエクステリアが多いですね。
松下:川端さんは施工管理技士かぁ。責任重大な仕事だよなぁ。
川端:そうだね。間違った工事をしてしまったら簡単にやり直しがきかないからね。毎日、職人さんたちの動きを見ながら、スケジュールを確認して、図面をにらんで、進行具合を見て…必死にがんばっているよ!
喜安:もしかして、もう一人で現場を任されているの?
川端:去年の秋頃から任されるようになったよ。上司からいきなり「現場、一人で任せるで」って言われてさ(笑)。
藤原:僕もそうだったなぁ。この業界は「いきなり」が本当に多いですよね(笑)。
橋本:一人で現場を仕切るなんて…私には想像できないな。
川端:最初は不安だったけど、現場に行くと案外やっていけるものなんだよね。ピンチになれば、職人さんが助けてくれるしさ。
藤原:そうそう。職人さんってなんとなく怖いイメージがあったけど、一緒に仕事をしてみるとみなさん本当に優しいんですよ。もちろん、たまには叱られることもありますが(笑)。
喜安:私も先輩や職人さんからしょっちゅう叱られているけど、つい言い返しちゃうんですよね。でも、現場では一番年下なので、結局、いつも「すみませんでした」って反省しているんですけどね(笑)。
藤原:現場では、そのぐらい勝気じゃないと!
松下:僕も勝気でいこう…
一同:(笑)
“女現場監督”って、
カッコよくないですか?
川端 晴江さん
積和建設兵庫株式会社 勤務
2013年 ガーデンデザイン学科 卒業