社会人3年目を迎える卒業生5人が、建設業界でプロとして働くことの楽しさや厳しさ、やりがいを語る。建築、土木、造園の各分野で社会の波にもまれながらも、いきいきと、そしてたくましく活躍している卒業生たち。自分なりの目標を掲げ、成長を目指すパワーであふれる彼ら・彼女らのまなざしは、ものづくりの世界で生きる喜びや楽しさを教えてくれる。
実際に働いてみて感じる、仕事の楽しさや厳しさ。
矢野:みんな久しぶり! もう社会人3年目に入ろうとしているけど、今どんな仕事をしていますか? 僕は、主にマンションを建設している会社に勤めていて、施工管理技士をしています。安全管理や写真管理、工程進捗の確認、職人さんの手配など、幅広く任せてもらっています。
廣瀬:私も施工管理技士をしています。扱っているのは注文住宅で、一人で現場を任されることが多く、安全管理はもちろん、職人さんの手伝いもしています。
阪井:3人とも現場で頑張っているんだね。私は外構専門の会社で、CADを使った設計とデザインをしています。
室:私はマンションや商業施設、医療福祉施設などを設計している会社で働いています。デベロッパーさんから敷地の情報を提供してもらい、調査や役所との協議を行って建築確認申請を行うのが今の主な業務。もちろん図面も描いています。
阪井:みんな、実際に働いてみてどんなことを思いましたか? 私は実際に家を建てる際、外構にかけられる予算や敷地は限られていることを実感しました。学生の頃は自由にデザインをしていたけど、現実はそうはいかない。限られた中でどうするかが大事ですよね。
室:うだね。私も設計の仕事をしていて、法律の規制が想像以上に厳しいことがわかりました。その中でお客さまの要望をどんなふうに実現できるのか、もっと勉強しなきゃと思っています。
矢野:僕は現場に出てみて、細かな知識が大切だなと実感しています。職人さんとの話の中で覚えることや気づかされることが多い。施工管理技士だからといって見ているだけではなく、職人さんの仕事を覚えていくことがレベルアップのために必要だと思います。
小田:僕も新人の頃は職人さんと一緒に体を動かして、毎日泥だらけでした。自分でやってみないと、作業時間の見積もりもできないもんね。
廣瀬:本当にそう。大手の会社の現場だと何人も施工管理技士がいて、安全管理や品質管理と役割がわかれていることもありますが、私の会社は一人で現場を見ているので、工程も自分で組んでいます。だからまず職人さんの手伝いをして、自分でやってみる。見ているだけなら簡単そうでも、やってみたらすごく難しいこともあります。
矢野 新太郎さん
不二建設株式会社 勤務
2015年 建築学科 卒業
修成での幅広い経験を社会人生活で大いに発揮!
矢野:廣瀬さん、現場を楽しんでいるよね。
小田:本当に。学生時代は空間デザイン学科(以下、空間)だったから、施工管理技士をしているなんて驚いたよ。
廣瀬:高校から土木を学んでいて、現場に出たいという気持ちが強かったからね。ただ、土木分野で女性がやっていくのはまだ厳しいと考えて迷い、修成では空間を選びました。でも入学後1ヶ月で、やっぱり現場がいいと再認識(笑)。それから迷いはなくなりました。空間でも施工管理や測量の授業があったので、今かなり役立っていますよ。みんなは、修成で経験しておいてよかったと思うことはありますか?
矢野:僕も廣瀬さんと同じで、測量機器を使った実習をしていたことかな。これは現場で確実に役立ちますよね。大卒の同期は経験がない人もいて、一歩リードしている実感があります。
室:わかる! 私も学生時代からCADを使っているので、作業のスピードが同期よりも早くて、修成で学んでよかったと思います。
阪井:私も現場で剪定などを経験できたことかな。当時からデザインや設計のほうが好きだったけど、現場を知っているかどうかが設計をするうえでとても重要なのだということを、社会人になってから実感しています。