Creator's File 株式会社ガーデンラボ 大堀 摩貴の仕事

株式会社ガーデンラボ 大堀 摩貴
株式会社ガーデンラボ 大堀 摩貴 MAKI OHORI

2007年にガーデンデザイン学科を卒業。ゴルフ場の芝生管理会社を経て、ガーデンラボに入社。現在は神戸・大阪を中心に個人宅、マンション、学校、老人ホームなどの庭の手入れや植栽管理を手がけている。

春夏秋冬、一年を通して美しい芝生を目指して。

現在、個人宅やマンション、施設などの庭のお手入れに加え、植栽の施工・提案も行っています。このインターナショナルスクールの中庭は、ガーデンラボに入社した当初から私が一人で年間管理を担当。「見るだけでなく、使える芝生」を目指して『オーバーシード』という管理手法を採用しています。『オーバーシード』とは、夏の芝が土の中で休眠する秋口に冬の芝の種をまき、芽吹かせるというもの。これにより、一年を通して快適に利用できる、元気で青々とした芝生を維持できるのです。ただ、この中庭の場合、学内イベントで使用する都合上、冬の芝の種をまく時期が10月中旬と遅くなってしまいます。そこで種をお湯で温めてからまき、早く芽吹かせることで、中庭に緑が絶えないように工夫しています。また、小さい敷地ながらも多くの生徒が利用するので、こまめに肥料や水をあたえ、極力傷まないようにしています。この中庭を管理して約5年になりますが、私にとって毎年がチャレンジ。去年より今年、今年より来年、よりよいコンディションを保てるように管理方法を少しずつ変えているんですよ。このようなこだわりと努力の詰まった芝生の上で、子供たちが楽しそうにおしゃべりをしたり、ダンスの練習をしていたりする様子を見ると、大きなやりがいを感じますね。


培った経験と愛情で植物を輝かせる。

修成卒業後はゴルフ場に4年間勤め、芝生の管理を担当していました。そこで働くうちに、ゴルフ場だけでなく、さまざまな造園の現場に携わりたいという気持ちが強くなり、ガーデンラボに入社しました。前の会社で培った芝生の知識は今の職場でも大いに役立っており、同僚からも芝生に関する相談をよく受けています。造園の世界に入って約10年になりますが、常に心がけてきたことは、お客様に癒しを届けると同時に、植物にとってもより良い環境を整えることです。そのために大切なのが経験です。特に私がメインで管理を担当している芝生については、その時々の『表情』をしっかりと見極めてケアする熟練の能力が必要です。具体的には夏になると暑さによるストレスを軽減させるために化成肥料からアミノ酸等が入った液体肥料へ変え、色が黄化する前に鉄分の入った肥料をあたえます。また、病気にかかりにくくするためにカルシウムをあたえることもあります。こうやって考えると、芝生の管理は人の健康管理に似ていますよね。こういう話を社内の人間にすると、「芝生への愛情が強すぎる」と引かれることもよくあるんですが(笑)。 小さな庭にも、こだわりと工夫をたっぷり詰め込むんです。


修成のノートや教科書は初心に返るためのアイテム。

両親の趣味がガーデニングで、物心がついたときには一緒になって自宅の庭で植物とふれあっていました。高校生になって自分にはどんな仕事が向いているのか真剣に考えたとき、飽き性な自分が植物への関心だけは持ち続けていることに気づき、造園を専門的に学ぶために修成に入学。正直に告白すると、学生時代は勉強が苦手で、授業中に居眠りしてしまうことがよくありました。そんな状況を見た先生から「今使っている教科書やノートは、枕としてでもいいから残しておけ」と言われたときのことは今でも記憶に残っています。その当時は言葉の意味がよくわからなかったのですが、「今使わなかったとしても、将来必ず使うときがくる」と伝えたかったのだと思います。実際、社会人になって悩んだときや落ち込んだときに学生時代の教科書やノートを見直すと、初心に返れて「よし、頑張ろう!」と気合いが自然とわいてくるんですよ。在学中に同じ夢をもつ仲間とふれあい、チーム単位での実習を数多く経験することで培ったコミュニケーション能力も、自分にとっての強みのひとつ。この能力はお客様から要望を引き出したり、現場監督として職人さんへ指示を出したりする際に大変役に立っています。


造園の技術を駆使し世の中に緑を増やしたい。

私が勤めているガーデンラボでは女性と男性の社員数は半々で、お互いに刺激し合いながら働いています。けれど、造園の世界全体で見るとまだまだ男性社会なので、これからは女性がもっと活躍してほしいですね。もちろん現場では石の移動や大型機械の操作など、力仕事が多いのですが、そういった場面では周りの男性の職人さんがフォローしてくれます。また、道具の使い方なども、ちょっとした工夫次第で、男性との体力差をカバーできることもあります。庭の彩りを考えてお花の配置を提案したり、花壇に植える花の組み合わせを考えたり、女性ならではの感性や視点を生かせる場面も多々あるんですよ。現場の掃除だって女性の方がすみずみまで丁寧に行っている印象がありますね、私は例外ですが(笑)。もしこの業界に興味があるなら、女性だからといって二の足を踏まず、思い切って飛び込んでください。新しく業界に入る方たちのお手本となれるよう、私は自分の得意分野である芝生の知識をさらに増やすとともに、木の剪定や花の手入れなどの技術も高めたいです。そして、自らの仕事を通し、世の中に緑をもっともっと増やしていきたいですね。 女性でも努力次第で活躍できますよ。私を見ればわかるでしょ(笑)。

株式会社ガーデンラボ

大阪府箕面市を拠点に大阪、神戸、京都で造園工事やエクステリア(外構)工事、植栽管理を手がけるガーデンラボ。
2001年の設立以来培ってきた経験とノウハウにより、一人ひとりのお客様に合った提案・施工を行っている。

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