湯治場 TOJIBA 卒業展2021 奨励賞
直木 孝輔 建築学科
現在新型肺炎の影響により多くの人が被害にあっています。その中で大きな被害を受けたのは温泉街です。不要不急の外出を自粛する国の方針により温泉街に足を運ぶ人の数は激減しました。今回テーマにしたのは自分が高校時代に住んでいた小さな温泉街です。世界全体が大きな変化を求められる今こそ昔のあり方、温泉街の本来のあり方を見直つつ新しい温泉街のあり方を提示したいと思います。
<指導教員からの講評>
粟津温泉街の現状を社会的問題提起しており、現地にも出掛けて視察する等、熱意を感じ作品である。又コロナ禍のご時世で、益々必要性をおびて来た「テレワーク」を、現代の「湯治場」として見直す提案は秀逸と言える。廃業して残された旅館のリノベーションを軸として、現存する旅館に地域特産品を共通の「付けたし」としながら結び付ける手案の、手書きパースが印象的だ。<青砥 聖逸>
マチイエ 卒業展2021 奨励賞
坂本 菜貴 建築学科
ニュータウンの新しい住み方と町並みについて考えました。今の日本は地域に集まって住んでいるのに他者と関わりがなく、寂しさを感じます。そんな町にコミュニティはどのようにすれば出来やすくなるかを考えました。住戸毎に完結している住む機能を外に出し、町に住むことで他者との共生意識ができる。また、敷地に詰められていた住戸間にゆとりを持たせて町に隙間を作る。そこではそれぞれの物語ができ、豊かなスペースが生まれる町を計画しました。
<指導教員からの講評>
何と言っても、「ニュータウンの新たな住み方」を、一住戸の「P-P分離」ではなく、地域ぐるみのプライベートとパブリックに分離した提案が面白い。若い世代でも「街の親しみ」「ふれあいの大切さ」や「コミニケションへの思い」を忘れることなく思いを馳せるところに、安堵感を抱く。建築を通して叶う、そんな思いがカタチになった作品である。<青砥 聖逸>
Ecocentrum エコセントルム 卒業展2021 奨励賞
レディ シャリフ ヒダヤチュロ 建築学科
インドネシアは様々な問題がある中で代表的なのはゴミ問題です。このような問題が起きてしまったのは人々のゴミに対する考えかたによるものだと思います。そこで、インドネシアのゴミ問題をどうにかしたいと思って、この建物を作りました。一般的なゴミ処分場を作ったら問題が解決できないと思い、インドネシア人の考え方を改めてもらえるようにするために教育施設を併設しました。
<指導教員からの講評>
インドネシアのゴミ問題は、世界的には今やプラスチックゴミが地球環境の大きな問題とされていると中で、初期段階でさえも改善されない現状に注視している。卒業設計の題材を何にするか?苦労する学生が多い中、初回のプレゼンテーションからインパクトのある提案であった。規模的に大きい設定で、やり切れてないところもあるが、ごみ問題の意識付けを願う作者の意図が、インドネシア国民に伝わることを願っている。<青砥 聖逸>
棚田を残すため~観光客と農家の繋がり~ 卒業展2021 奨励賞
山根 大周 建築学科
この作品は今ある棚田の耕作放棄の問題に注目して、これから棚田をいかにどう残すかを考えました。手入れの問題、その地域で行われている地域活動などを調べたり、季節によって違った顔をしてくれる棚田にとても惹かれました。なので対面の山の斜面に用途に分けて建物を設計しました。すべての建物に共通することは棚田をどこからでも見て楽しめる、味わってもらえるように考えました。
<指導教員からの講評>
棚田に寄せる作者の熱い思いを提案する作品である。一部では「棚田百選」と持て囃されている美しい景色に相反して、消えゆく深刻な社会現象を見逃していない。建築的な表現手法は未熟であるが、何とか残せないものかと、見学者の迎え入れや、農作業の体験学習など、システムの構築を提案した考えを評価したい。こんなシステムが、全国的な「棚田の風景」を蘇らせる手立てになればと期待している。<青砥 聖逸>
光の灯る集落 卒業展2021 奨励賞
杉本 充 建築学科
この作品を考えたきっかけは、元々自分が自然が好きなところにあります。近年は都市計画が進み都市部での生活がとても便利になりました。結果として都市の人口が増え地方の需要が下がってきています。つまり現代の人々は天然自然と触れ合う機会が減ってきているとも言えます。なので私は、近頃需要が高まってきているテレワークを地方で行える形態を考えました。
<指導教員からの講評>
都心部に近い利便性を生かして、徐々に「限界集落」に向かう山間の集落と「街」を結び付けようと努力した作品と言える。現状を見極め、残せるものと再生するものに「仕分け」をしながら、地域ぐるみの普通性を高める提案が、次世代の暮らし方に、豊かな要素を与えてくれると期待している。身近な現状にスポットを当て、学びの最後の「卒業設計」として奮闘した点を評価したい。<青砥 聖逸>
弓道場-知るきっかけとなる場所- 卒業展2021 奨励賞
島田 実莉 建築学科
私は高校生の時に部活動で弓道をしていました。そこで、弓道場を計画しました。弓道場は既にある施設であるため「いかに自分の作品にするか」というところが難しかったです。今までの一般的な弓道場の良い所を残しながら、弓道の良さを最大限に引き出す工夫をしました。この作品で弓道の魅力を感じ、日本の伝統文化を衰退させないための競技人口の増加の一助となればと思っています。
<指導教員からの講評>
弓道場という少し珍しい建物用途の計画です。一般的には触れる機会が少ないと思われるこの競技が抱える課題について、競技経験者ならではの視点を踏まえた解決を図っています。選定敷地の持つ歴史性や場所性、周辺環境との関係性、敷地内における建物内外の空間構成など、調査・分析・検討の各段階にしっかりとした努力の跡が感じられる作品となっています。<福山 亮介>
行李劇場 卒業展2021 奨励賞
竹中 裕哉 建築学科
兵庫県の北部にある豊岡市、ここはかつて日本で1番かばんを生産していた町だった。しかし時代の流れに伴い、その認知度と生産量は低下してきている。そんな町が現在、演劇によるまちづくりを推進している。この計画は、そんな豊岡市のかばん産業の復活と演劇の町としての認知の向上のため、カバンストリートと言われる通りに面した小さな劇場の提案である。
<指導教員からの講評>
人口減少は日本全国でみられる問題となって久しく、それに伴い各地域社会の活性化を図ることも継続的な問題として存在しています。計画地の兵庫県豊岡市も例外ではない状況にあり、その解決を目指した提案です。当該地における歴史的な地場産業や観光資源とそれらの将来に対する展望等に着目し、建築表現として取り込むことで地域の特性を良く表した計画としています。普遍的とも言える課題に対して総合的な調和のとれた作品です。<福山 亮介>
採音 卒業展2021 奨励賞
吉田 明日香 建築学科
私はこの卒業設計で大きなテーマとして、音楽療法がもたらす効果について考えました。音楽を聴く、または演奏するだけで治療効果につながり、健全な人で癒しや安心感を与えてくれる音の素晴らしさを知っていただきたく、周りの環境等を沢山考え、音楽療法が行える建物を計画しました。また、周りの人達にも音楽をより一層楽しんでもらえるよう、気軽に休める休憩場としても利用できるよう計画しました。
<指導教員からの講評>
人が生活する中で光や風は必須とされ、うまく採り入れることで心地良い空間にできます。「音」はこれまではあまり採り入れることが考えられなかったが、制作者は「音」に着目し、それがテーマの建築にチャレンジをした。「音」の持つ効果がいろいろあることを調べ、音楽療法を行うためや自然音を活かすための空間づくりの提案をしている。「採音」がこれからの暮らしの中で人の心の豊かさを育てることを想像させる作品と感じた。<岡崎 祐介>
Clean Air Park 卒業展2021 奨励賞
ホンゴルズル 建築学科
私の作品のコンセプトは、綺麗な自然を大切に守れば健康に過ごすことが出来ると考えて、自然と人間を建築で繋げられるように表現しました。人間が自然を綺麗に保っていくためには強い意識を持ち、自分の生活習慣を少しずつ正しく変えることから始まります。運動することは健康的な暮らしを送るということへの効果が高く、クリーンエアの快適な空間で楽し時間を過ごすことで、その大切さがわかる空間の提案をしました。
<指導教員からの講評>
モンゴルにおいての大きな社会問題である空気汚染をテーマにどのようにアプローチすれば改善できるかを考えた作品である。国民性を考慮し、第一歩目は意識改革からといった環境問題への教育も兼ねているが、人が集まる空間に自然とそれが理解できる建築をすることで気づくことから受け入れ、行動させることがスムーズに流れると感じられる。「楽しむこと」のために「環境改善が必要」だということをうまく結びつけている。<岡崎 祐介>
逢う~ひとが寄り合う緑の公園~ 卒業展2021 奨励賞
大石 親良 建築学科
地域の人と人のつながりを活性化させることを目標とした「公園」の新しいあり方を提案しました。現代社会では今、地域のつながりの希薄化が問題となっています。このままでは、私が小さいとき近所の人たちから受けてきた気配りや心遣いのような素晴らしいものがなくなってしまいます。この問題を解消するため、変化の要素として公園をライフスタイルに柔らかく取り組むことを考え計画しました。文化活動、教育、仕事、レジャーなど様々な活動拠点となる空間をつくることで、今までになかった新たな人のつながりのカタチを生み出す場所になっています。
<指導教員からの講評>
ITやSNSの発達、新型コロナなど近年においても人々の生活は大きく変化をしています。その中で新しい生活や仕事の環境はどのようにしていくべきか、建築、空間、自然がどのように融合されていくべきか、制作者の答えが表された作品である。時代の移り変わりによりコミュニケーションのあり方も変化していくが、未来の姿を見せてくれている。効率だけを重視する社会ではなく、豊かさを大切にしていく空間ができていると感じた。<岡崎 祐介>
水都の魅力 卒業展2021 奨励賞
山本 迅将 建築学科
昔、魅力的であった水都大阪の河川は、今となっては河川の減少により、魅力がなくなりつつあります。そこで私は、歴史ある河川付近で大阪の水都を復活させようと思い、水都復活計画案を出しました。最初は敷地が大きくて、人と車の動線や用途施設を計画するのがとても難しかったですけど、何とか計画できたので、とても嬉しかったです。本当にここまで頑張ってきてよかったと実感しました。
<指導教員からの講評>
新しい時代になくなっていく文化をただ残す目的だけではなく、活かせる形にして水都大阪を魅力的に伝える計画は、食材廃棄の社会問題提起と改善を担いながら、「食」や「地域文化」とよりふれあい楽しめるものになっている。制作者は昨年の卒業生の卒業設計を手伝いながら、早期より自身の卒業設計の検討を始めていた。1歩進んで2歩下がるといった状況が長く続いたが、最終的に自分の形として完成させたのは努力の賜物である。<岡崎 祐介>
たまる 卒業展2021 奨励賞
山崎 享太 建築学科
僕はこの卒業設計で『諦めない』という姿勢の大切さをとても感じさせられました。なぜなら、コロナウイルスの影響で世の中が混乱しているなかで先生方のお力添えもあり、結果的に考えてみると卒業設計に対して一生懸命取り組む事が出来たと思いました。諦めずに続けていればできないと思っていたことも可能になるのだなと体感しました。作品としては満足できていない部分もありますがこれからも諦めずに頑張りたいと思います。
<指導教員からの講評>
空き家問題を地域の魅力で解決しようというもので、敷地は昔の町並みが残る地域です。移住や観光を促進しながらも、既存の風景を壊さずに新しいものを加えることに相当苦労したと思います。特に講評会では、先生方からの意見を受け止めすぎて迷走しつつありました(笑)。それでも、私のゼミでは一番多く訪ねてきてくれて粘り強く最後まで走りきってくれました。<吉田 秀栄>
アトリエのある美術館 卒業展2021 意匠設計コース賞
堀川 剛 建築学科
この作品は亡くなった祖父のために作りました。小豆島にあるお墓が無くなることが決まった時に自分が小豆島に作品を残したいと思い計画しました。アトリエがある美術館を計画したは画家だった祖父のアトリエが大好きだったのでアトリエの楽しさを色んな人に伝えたかったからです。山の上に建てたのも祖父の好きな景色を再現するためです。
この作品を見て少しでも小豆島や芸術に興味を持ってもらえればと思い作りました。
<指導教員からの講評>
日本では芸術というと敷居が高く生活に縁がないことが多い。そんな気持ちからテーマの設定が始まりました。芸術祭で町おこしというような一過性のものではなく、また地域の人に芸術がどのように根ざしていくのかを考えていました。テーマはシンプルな分、その仕組や建築的な解決方法は難しかったと思います。場所の設定やデザインには地道な努力積み重ねと試行錯誤を繰り返して答えを導き出してくれました。<吉田 秀栄>
繋がりが生まれる子育て施設 卒業展2021 奨励賞
上田 夏暉 建築学科
私は地元である大阪府河内長野市の活性化を卒業設計のテーマにしました。そこで河内長野市が抱えている若者の転出率が高いという問題を解決するために、地域の繋がりを強くする魅力的な子育て施設を作ろうと考えました。子供たちがたくましく育つだけでなく、地域の人々と触れ合うことができるような建物の形をデザインすることに苦労しました。
<指導教員からの講評>
河内長野は彼の地元であり、地域の特質はよく理解していました。地域活性化、地域コミュニティは社会でも大きなテーマとなっていますが、実現しているのはまだまだ少ないのが現状です。そんな中でリアリティをもたせつつ、将来の夢を描くという両面を考えてくれたと思います。はじめはふんわりとした考えでしたが、後半から徐々に考えに芯がしっかりして最後までよくついてきてくれました。<吉田 秀栄>
人が創る学校 卒業展2021 奨励賞
武内 聖奈 建築学科
現在の学校は防犯の面もあり、地域が関与してなく、あれば楽しいのにと思うことも禁止しています。でも、それはいいことなのでしょうか。地域が関与するということは、可能性が広がることです。例えば、地域内に料理が好きな人がいれば、その人に料理を教えてもらえるでしょう。サッカー好きの高校生がサッカーを教えればいいと思います。また、多くの事を経験する事で子供の夢にもつながります。そのための学校をつくりました。
<指導教員からの講評>
小・中学校のポテンシャルはまだまだ秘めたものを持っています。それを発掘しようと色々と案を練ってくれました。はじめは案が膨らみすぎて、卒業設計を超えた一大プロジェクトになってしまい、規模感に悩まされたと思います。それは学校を活かしたいという気持ちの大きさの表れと思います。最後は失速気味でしたが、試行錯誤を繰り返した頑張りを評価したいと思います。<吉田 秀栄>
ヤエーが生まれる建築物 卒業展2021 奨励賞
園部 悠人 建築学科
僕が設計したのはバイクに乗っている人たちが楽しめる場所です。ライダーには『ヤエー』と呼ばれるバイクに乗ている人の間だけで通じるあいさつがあり、それをテーマにし、その『ヤエー』を広げることにつながる建物を設計しました。どうゆう建物を設計したらバイクに乗ってる人が楽しめるのかを考え、工夫しました。模型の制作では曲面状のガラスをきれいに仕上げるところには苦労をしました。
<指導教員からの講評>
設計者が趣味としている大型バイクを起点に敷地を選定し、その敷地を読み解きプログラムを組み立てた。プロジェクトの全体に渡って順調に推移したが、つまずきがなかったことに対して指導者としては物足りなさを感じている。卒業後は実社会での設計で彼の理解力の高さや手先の器用さを活かして欲しい。<田中 おと吉>
散歩道の休憩所 卒業展2021 奨励賞
牧野内 陸 建築学科
高槻市にある歴史の散歩道の道中にある公園を敷地に選びました。用途は近隣にある歴史館の移転です。建物は遊具の近くに計画し、歴史館側から遊具で遊ぶ子供達を見守れるようにしました。歴史館の外壁には段差をつけ利用者がそこでくつろげるようにしています。大きく取った段差の1つ1つは子供が登って遊ぶことができます。建物の窓は大きくして室内に入る光を多くしました。また用途を考え一階と二階で利用者の年齢層を分けています。
<指導教員からの講評>
設計者の地元に対する再発見(高山右近)を起点に始まり、順調に進んでいたプロジェクトだったが、
諸事情から具体化には時間が掛かった。ただし成果物を見ると、実現した際の地域の活動と観光が相乗効果を生む社会的な効果が十分に望める内容になっている。大きな公共空間のプロジェクトを最後までやりきった経験を、彼の今後のキャリアで活かして欲しい。<田中 おと吉>
立体リトル京橋 卒業展2021 奨励賞
林 リアン 建築学科
京橋駅周辺の再開発にともないその駐輪場が撤去されるため、これを移設するために隣接する京阪モールの一部を除去し、さらに駅と駅とをつなぐ道を創出し、新たな京橋の発展の場となるよう設計しました。ビジネス街であり、飲み屋街でもあり、出勤等の乗り換えの中継地点である京橋駅の特性を生かすために、利用者が寄り道をし、少しでもこの場所で時間を使うようにするにはどのようにすればいいのか、とても苦労しました。
<指導教員からの講評>
設計者にとって思い入れのある京橋というエリアを丹念に調べ、十二分に魅力のあるお膳立て(敷地設定)にまでたどり着いた。
ヨーロッパとは異なる日本独自の『広場』の定義づけとその提案に期待したが、現状は敷地設定の饒舌さに少し飲まれた結論で留まっていて残念。卒業までにもう一歩踏み込んでくれると期待している。<田中 おと吉>
若い世代向けの集合住宅 卒業展2021 奨励賞
蔡 李宇禾 建築学科
若い世代のコミュニケーション不足を解決する集合住宅を設計しました。敷地は都市でたくさん見られるコインパーキングです。いろんな敷地のかたちに合わせられるように、単身用の住居をモジュール化し、不整地の活用の活性化を可能にしています。それぞれの住居の面積を減らし、公共空間を拡大して、人と人が面と向かって交流する機会を高める集合住宅にしています。
<指導教員からの講評>
審査会でプロジェクトの成果物が既出であるとの指摘を受けたが、その趣旨には現代の問題点が織り込まれているのでそのまま進んでもらった。敷地や時代背景からくる要請が建物にどういった影響を与えるのかを見守ったが、結果としては汎用性ばかりが目立つ設計となっている。CGなどのテクニックは十分にあるので、次のステップ(大学編入)では指導者とコミュニケーションをより密に取り、場所を読み解く技術を磨いて欲しい。<田中 おと吉>
上富田町の道の駅 卒業展2021 木造コース賞
小川 翔吾 建築学科
上富田町は高校生活の思い出が詰まった場所で、よく利用して不便を感じていた朝来駅に着目し、快適に待ち時間を過ごせる空間に加えて特産物を活かした施設も併設して道の駅を作りました。トラスを見せたり登り梁を見せたりと構造やデザインには、特にこだわりました。長い時間卒業設計に取り組んできましたが、楽しみながら取り組めたと思います。特に模型を作ってる時で、綺麗にパーツを取り付けて形になっていくのがおもしろくて結果、納得のいく仕上がりになりました。最後に、卒業設計で学んだ知識と経験、担当してくださった先生と手伝ってくれた人への感謝の気持ちを忘れずこれからも建築を学んでいきたいと思います。
<指導教員からの講評>
自身ゆかりのある地を選定し、地域が抱える問題を解消するために取り組んだ課題です。木造による作品でシンプルな平面構成と地域に溶け込む外観が特徴の作品となりました。構造の理解や材料の選定など本科2年間の学習の集大成として形にできたと感じます。模型も成果物として短い時間で丁寧に仕上げ、社会に出る前の準備として有意義だったのではないでしょうか。今後の活躍が楽しみです。<上野 祐紀>
「地域住民が交流できる兼用住宅」における構造設計 卒業展2021 奨励賞
森田 涼也 建築学科
私は、計算することが好きだからという単純な理由で構造コースを選択しました。実際に計算してみると、その計算する量にとても驚きました。
夏休みから計算を始めたのですが完成して提出できたのは提出期限の約1週間前でした。
私には将来、私が設計した住宅を両親にプレゼントするという夢があります。その夢を実現させる時、今回の構造コースで学んだことが必ず役立つと思っています。
<指導教員からの講評>
今年度は、時間的な制約もあり、伏図・軸組図からのスタートになりました。その一方で、泉先生のグループとの協働作業により、スケジュール管理ができ、予定通りの成果を収めることができました。
森田くんの地道ながらも正確な理解力と計算力が遺憾無く発揮された作品となりました。配筋が織りなす「構造美の世界」をご堪能下さい。<荒木 伸輔>
◎作成の流れ:伏図・軸組図→準備計算→応力計算→断面設計→架構配筋図+断面リスト
RC構造建物の構造設計 卒業展2021 構造設計コース賞
劉 爽 建築学科
「構造設計」は、建物の基礎と建物を支える柱や梁などの断面設計を決め、建物基準法に適合した建築物になるようにするのが主な内容である。本建物は、鉄筋コンクリート2階建て(地下なし)で、X 方向3スパン、Y方向2スパンの均等ラーメン構造である。
建設地の地震地域係数はZ=1.0、第2種地盤、用途は住宅を想定している。
構造計算書には、一般事項、耐力壁の設計、各部の設計などが記されている。
構造図は、伏図(平面図)、軸組図(断面図)、配筋詳細図、部材リスト(柱・梁のリスト)などで構成されている。
<指導教員からの講評>
私が担当した学生数は4名であり、各自に課した建物形状は同一で、積載荷重のみ変更したものである。したがって、各自の最終的な出来栄えについては、大差はない。ただし、劉さんに関しては女子留学生であり、正直なところ教員側としては構造力学も含めて理解できるだろうかと最初は不安であった。しかし、この不安は授業回数を重ねるうちに払拭されていった。彼女の勉学に対する取り組み姿勢は、受賞に値するものである。<泉 洋輔>
まちを編む~記憶と伝統の継承~ 卒業展2021 奨励賞
岡田 陽 建築学科
今回、私は伝統工芸品の復興について取り上げた。自分の住んでいる地域では高齢化や人口減少という問題があり、それに伴って衰退していく産業もあることに気が付き、どうすれば長い歴史とその郷土の暮らしの中で育まれ、受け継がれてきたものを次の世代に受け継ぐことが出来るのかを考えた。また、地域内で経済が循環する仕組みづくりもひとつの課題として取り組んだ。
<指導教員からの講評>
空き家となった歴史的建物の、利活用に加え、伝統工芸を継承していく若者の収入源の確保までを検討することが、まちづくりとしての取り組みとして、継続されていく仕組みまでも追及した。Scrap and Bild以外に既存の建物に再び活力を与える手法を学び、今後設計者としての思考や活動の幅を広げることにつなげて欲しい。<見邨 佳朗>
「結び」の源流 卒業展2021 景観・まちづくりコース賞
瓦間 大翔 建築学科
私が制作した卒業設計のタイトルは、「結び」の源流という。
現在、岩出市では、高齢者の増加や要介護、要支援者の増加、ボランティア活動の減少などの問題がある。これらを解決するために計画した。そのためには、タイトルにもある、「結び」が大切である。結びとは、世代や地域を超えた、多方面への繋がりのことである。この結びをまちの中に広げていく、そうすることで、すべての人々が幸せに生活できると考えた。
<指導教員からの講評>
岩出市のマスタープランに沿い、市街化誘導、保全すべき自然環境、住民・民間事業者との協働、ユニバーサルデザインに主眼を置いた計画を目指した。作者自身の成長を育んだまちに対する郷土愛を、地域住民(老若)同士の交流、来訪者の受け入れ、地域外への発信を建築的に形にした作品である。また、内外の仕上げに地元の紀州材(桧・杉)を積極的に取り入れている。<見邨 佳朗>
出来島図書館 卒業展2021 建築基本設計コース賞
村田 陽大 建築学科
今回私は基本設計コースの設計課題に対して「地域の方が年齢を問わず楽しめ、リラックスのできる図書館」をテーマに設計を進めました。遊具、庭園、カフェなどを作ることで年齢を問わず全ての世代の方が楽しめ、リラックスのできるように工夫しました。一から自分の力で設計したため完璧なものではありませんが、BIMで図面を作成後動画ソフトで動画を自分で作成するなど少しでも良いものにしようと工夫と努力を重ねました。
<指導教員からの講評>
今回私が担当したのは、基本設計25名です。本校近辺の市営住宅後の敷地に図書館を設計するという課題でした。ほとんどの生徒が、私が提案したサンプルを参考に課題を進めた中、彼は、一から設計を進め自分なりに設計しました。私はエスキスチェックも何もしていません。従って完成作品は、構造的・法規的・計画的に完全なものではありません。しかしながら、BIMで図面、動画ソフトで動画を自分で完成させました。<西村 博之>
培う園舎 感覚統合療法の考えを活かして 卒業展2021 夜間・意匠設計コース賞
島 千尋 建築学科(夜間)
私は「子どもの発達」を環境面からサポートできる幼稚園の設計をしました。
生活の利便性により、日常の中で体を動かす機会が奪われている現代の子どもたち、不器用や運動音痴な子どもたち。色んな子どもたちが過ごす幼稚園で身体づくりの土台となる「感覚」を刺激できる「感覚統合療法」の考えを園舎の随所に取り入れました。
<指導教員からの講評>
感覚統合の考え方は障がいのある子どもだけでなくすべての子どもを理解し支援していく上で有効である。保育では自由な遊びを中心として子どもの育ちを支援するが、感覚統合療法の視点で、その遊びを分析した作品である。子どもの「楽しいという気持ち」が建築の随所に、盛り上がってくる工夫がなされたところに本計画の意義がある。<見邨 佳朗>
高槻のタイムシェアハウス 奨励賞
岩村 晃佑 建築学科(夜間)
卒業設計の作成にあたって、どのような媒体を使って自身の計画を表現するのか、そしてこの2年間で培った知識をどのように計画に盛り込んでいくのか、という点を自分なりにじっくりと考え、2年間の成果と課題を整理した上で作成にあたった結果がこの計画につながったと思います。さらにより良いものを計画できるよう、頑張りたいと思います。
<指導教員からの講評>
「働きながら学ぶ」を2年間最も高いレベルで成し遂げた作者は、職業実践専門課程を歩んだ結果として、より実践的な課題に挑戦した。法規制や構造、建築計画と施工において細部にわたり検討した作品を目指した。このものづくりに対する情熱は、建築分野のプロローグとして十分なものであり、今後の成長を期待させるものとなった。<見邨 佳朗>
Along the way 新たな門出 卒業展2021 準グランプリ・CG基本設計コース賞
白 恩惠 建築CGデザイン学科
世界遺産に登録されている和歌山県の熊野古道には、様々な国から来た人達が訪れる。同じ空間において、互いの考え方や心情を語り合うことができ、周辺の自然との調和にも配慮した宿を設計した。そこで人生、旅行、関係なく新たな門出を迎えようとしている人達が、思いを同じくする者との語らいによって自分自身を見つめ直すことができ、新しい出会いを通じて勇気や力をもらえる場所を目指して考えた。
<指導教員からの講評>
作者は、熊野古道とサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼を達成した「二つの道の巡礼者」である。実際にその時間と道のりを経験した中で生まれた気持ちを形にすることとした。カフェ・ホステル・案内所の3つのsectionに分け、出会いと語らいの空間において、巡礼を今までの人生やこれからの希望に例え、国籍問わず時間と場所を共有する。そして新しい門出を迎えた朝に、それぞれの道を歩んでいこうとする様を伝えようとした。<見邨 佳朗>
こども創造センター 卒業展2021 CGデザインコース賞
ムンフゾルボー 建築CGデザイン学科
こども創造センターは、造形活動・創造的遊び・交流活動を通して、子どもたちの豊かな感性・考え方・表現力・創造力・社会性などの生きる力を伸ばし、育むことを目的とした施設です。
たっぷり遊んで学べる魅力的な道具や設備がそろっていますので、絵を描いたり、ものを作ったり、体を動かして遊んだりといった、さまざまな活動を行えます。
<指導教員からの講評>
この作品を制作中に新しい命を授かった作者は、将来の我が子の成長をイメージしながら制作に取り組んだことだと思う。人として持ち得る力を、様々な形で「伸ばす」ことを提案した。
体を動かし、考え、仲間とともに、時にはひとりで、「遊び」から育まれる多様な力を引き出すアイデアを模索した結果として生まれた計画である。<見邨 佳朗>
Around 卒業展2021 準グランプリ
田賀 優治 建築CGデザイン学科
私がこの卒業設計を通して考えたことは、敷地周辺の今の環境と数十年先がどうなっていて欲しいか
ということ。それらを考えながら設計してきました。敷地内にある魅力をどう活かしていくかを考えて、それと同時に日本の四季の自然の魅力をどう感じ取ることができるのかなど時間、季節、人、
の巡りをどうしたのかを見て欲しいと思います。
<指導教員からの講評>
いつもの行きなれた公園の中で繰り広げられる人間模様を想像しながら計画に取り組んだ。それは様々な世代間や、季節の移ろいの中でのドラマをイメージするものであった。計画を進めていくうちに、どんどんエンジンがかかって成長していく作者を、嬉しい思いで見守ることができた指導時間であった。<見邨 佳朗>
127泓のUnnatural 卒業展2021 グランプリ
大西 未桜 空間デザイン学科
卒業設計の目的を考えるうちに持続可能な社会に関わることをテーマにしたいと思いました。場所を探すうちに、離島問題と合わせそれらを解決する場として岡山県の北木島に辿り着きました。
そこには不自然な形の127泓(おう)の丁場湖があり、負の歴史や特徴にサスティナブルな社会に生きる私達へのメッセージがあると思いました。歴史や魅力を伝えられるか、過疎という問題を抱え共に生きることができるのか。極力「丁場湖を傷つけず活かす(生かす)活用のカタチ」を考えました。
ご覧いただき、私たちが普段出逢うことの出来ない丁場湖に立ち止まってふれてみませんか?
<指導教員からの講評>
社会的なテーマから入るか、魅力的な場所を探すのか。そんな思考から卒業設計に向き合い、彼女は膨大なリサーチと検討やスタディを経て見事にまとめ上げてくれました。場所は岡山県民でもあまり知られていない瀬戸内の孤島「北木島」です。高度成長期に採石場として活況を呈しながら時代の波にのまれ、人々が去った忘却の離島には127か所の採石場が残り、雨水がたまって丁場湖と呼ばれています。それはまるで島の隆盛にもてあそばれ流した島民の涙が溜まったかのように深淵に透き通るように緑青をまとっています。最後まで見ていただければ持続可能な島社会のために「学び」「住居」「観光」という3つの必要不可欠な要素を考え、これ以上丁場湖を傷めず寄り添うような建築におきかえて提案した制作者の一年余りの想いを感じていただけるのではないかと期待しています。<眞野 サトル>
ハレトケ城下町 卒業展2021 奨励賞
前田 かな子 空間デザイン学科
私は地元を離れて学校に通い始めたことで、客観的に地元について考えるようになり、今回の卒業設計を行いました。龍野の歴史、ハレとケという文化を再確認することで、まちの活性化を図りました。しかし、自分自身で課題を見つけ、設計に落とし込むことは想像以上に大変で、普段から情報収集をすることや、計画性の大切さを学ぶ機会となりました。
<指導教員からの講評>
デザインを行なううえで、主観的に視ることと客観的に視ることは、どちらもとても大切です。前田さんの卒業設計は伝統建築保存地区が地元の誇りであると同時に、そこに抱える課題を徹底して客観的に分析し、それに対する自分なりの意志を今度は非常に主観的にイメージしている。この二つの視座を持ち続けることはデザイナーにとって大きな武器になると思います。<鍵谷 啓太>
Another way Same space ―デジタルネイティブな時代に求めるアナログ 卒業展2021 奨励賞
岡本 絹世 空間デザイン学科
私は、子どもに関わる社会問題に取り組みたくて卒業設計のテーマにしました。児童相談所の迷惑施設化と、子どもの活字離れや、現代だからこそ起こり得る思い込みトラブルを少しでも改善できるような特徴を持つ建築を造りたいと思い計画しています。
大人から見る視点と子どもから見る視点との両方の視点で想像してご覧いただき、児童施設について少しでも多くの人が考えるきっかけの一つになればと思います。
<指導教員からの講評>
神戸市という国内でも知名度も高く歴史、産業などにも恵まれた稀有な場所で人口減少という問題を発掘しその原因を子育て世代の衛星都市への流出と定義し、その解決策の探求が彼女の卒業設計のテーマです。実際に居住しているからこそ見え、子育て世代が懸念する児童福祉問題の可視化、神戸市に慈恵の念を持つ元教員で多額の寄付をされた置塩壽氏への尊敬からこの児童福祉施設は成り立っています。建築に内包された二本の「道」が読書の大切さを学びながら児童を未来へと繋げる作品となりました。<眞野 サトル>
他人NET 卒業展2021 準グランプリ
渡辺 彩実 空間デザイン学科
「誰かと暮らしたい。家族がいない。」そんな人と人を繋ぎたい。孤独死のニュースを見る度に痛む自分の心と向き合うことから始まり、新しい暮らし方「他人NET」に辿りつきました。
地域の中を移動しながら、他人同士でモノやコトを共有するうちに少しずつ家族になっていく。これは、わたしたちの未来の物語。
一人で生きられる世の中で、独りで生きてしまわないように。「他人NET」が一つの選択肢として存在しますように…
<指導教員からの講評>
彼女の卒業設計はコロナ禍で生きる私たちが、個人が弧人になりえる社会の中で生まれました。家族とは?家族なら正しい?そこで生きられない人にとって他人との結びつきは家族になりえないのか。そんな答えの出ない問いを他人同士がそれぞれの目的ごとに集い、移動を重ねることで目的が特別な時間を生み人間の生を顕在化する、そんな作品です。ストーリー性のある構成は彼女の持ち味で、センシティブなテーマでも颯爽と駆け抜けるように読ませてくれるところが素晴らしい。「繋がり」という言葉が流行り文句のように使われますが、見えない繋がりを可視化させ繋がりが繋がり合いを生んで無限に広がっていく。人々の時間に移動を組み込んだもう一つの社会が、政治や行政で解決できない問題をかかえる人の繋がりを生むような類まれな作品となりました。<眞野 サトル>
『げきみてた、げきしてた』 ― 都市に広がる屋外劇場 ― 卒業展2021 奨励賞
本田 奈緒 空間デザイン学科
卒業設計では自分の好きな事を題材にしたいと思ったことが始まりです。趣味の演劇鑑賞はいつ観に行っても私を元気にしてくれる魔法のような経験だと思っています。そんな大好きな演劇を観ること、そのための劇場を広め伝え続けるために何が必要なのか、自問自答の半年間でした。
アイディアがなかなか思い浮かばなく苦しい時期もありましたが、指導して頂いた先生や周りの方に支えてもらい作品を完成することが出来ました。
<指導教員からの講評>
大阪が誇る文化都市、天王寺を敷地に設定した演劇空間の提案となります。天王寺は大阪の中心都市としてサブカルチャー文化の賑わいと四天王寺を代表とした多数の寺社仏閣などが混在するユニークな地域です。自分の大好きな演劇の魅力を広く知ってもらいたいという想いから、ヨーロッパでは古くから大衆娯楽として受け入れられている演劇の魅力を、身近に感じてもらう為、箱物建築を提案するのでなく既存公共空間を利用し、都市に家具を添えるような身体に馴染む屋外劇場の計画となっています。<阪本 剛史>
イロドルトコロヨリドコロ 卒業展2021 奨励賞
吉川 朋花 空間デザイン学科
自分の地元がもっとよくなれば、という想いから始まった今回の作品「イロドルトコロ ヨリドコロ」は私が普段よく利用している地下道が舞台になっています。普段通り過ぎるだけの地下で思わず立ち止まってしまったり、足を運んでしまうような「何か」が起きればもっと素敵な空間になるのではないかと計画を進めていきました。
卒業設計は私が当初思っていた何倍も大変でしたがその分やりがいもあり、思い出に残るものとなりました。
<指導教員からの講評>
地下空間の持つネガティブな側面を空間演出により行きたくなる場所に変換していく計画です。地上部に取り残された中央分離帯を地下空間との接続場所として意味を持たせ、地上(自然)環境を地下に取入れる装置として様々なヴォイドを配置しています。ヴォイドを通して地下に作用する光・風・雨・音など無数の要素は約700mにわたる単調な地下空間に様々な現象を生み出し連続する変化による地下道の新たな魅力創出の可能性を感じさせてくれる作品となっています。<阪本 剛史>
Grit 卒業展2021 空間デザインディプロマコース賞
坂田 涼真 空間デザイン学科
活気がなくなってしまった地元柏原市の駅前空間を地域住民の方の安らぎの場となるような計画をしました。その要素は3つあり、1つ目は既存商業施設の躯体を残して増築ではなく減築をすること。2つ目は柏原市の特産物である葡萄畑をもとにグリッドを考えたこと。3つ目はプラグインの考えを取り入れ、
グリッドごとに空間の取り付け取り外しをできるようにした。この3つの要素を取り入れ駅前空間、駅共に通勤通学には安らぎをショッピングには楽しみを生み出そうと考えました。
<指導教員からの講評>
衰退する地元柏原の駅前空間を地域に開き、市民にとっての拠り所となるような屋外空間を中心とした計画です。特産である葡萄は山の傾斜地に張り付くように生産され、連続する葡萄棚の創り出すグリッドは地域のアイコンとして特有の景観を創り出しています。この計画では既存施設の構造グリッドを葡萄棚に見立て、増築ではなく減築という答えにより、抜けと空間をバランスよく創り出し、フレキシビリティのある永続的な計画を可能にした案となっています。パースでは変化する自然が創り出す建築と一体化した空間を見事に表現しています。<阪本 剛史>
Urban Forest ― 都会で感じる自然 卒業展2021 空間デザイン基本設計コース賞
猪子 大地 空間デザイン学科
私は作品のタイトル「Urban Forest 〜都会で感じる自然〜」にもあるように自然を感じられる場所である中庭にこだわってこの建物を設計しました。なのでコワーキングスペースの小河が流れる中庭や共同住宅の用途の違う各階にある中庭に特徴があると思います。また図面の書き込みの多さや模型作りに力を入れてこの作品に取り組んだので是非そこを見てほしいです。
<指導教員からの講評>
基本設計の課題趣旨を的確に捉えた作品となっています。コロナ禍の中で気持ちが豊かになるワークスペースをどのように作り出すかを広々とした中庭の分散配置により上手に計画しています。各層に広がる立体的中庭空間は街の景観としての豊かさも感じさせ、これからの建築にとって模範的であり、制作者の人柄もデザインに現れた優しさに溢れた作品になっています。<阪本 剛史>
中庭家族 ― 中庭でひとり親家族を繋いでいく共同住宅 卒業展2021 奨励賞
濵田 千波 空間デザイン学科
きっかけは、自粛期間です。友達にも会うことができない日々が本当に辛く、1人でいるのも苦痛でした。この状況が一人親家族の子供達と似ているのではないかと考え、少しでも安らぐような計画をしました。特徴としては中庭を軸とした繋がりのある集合住宅部分です。中庭を余白ではなく集いの場として活用しました。今、人と人との関わりに慎重になっていますが、将来この住宅で、自然な関わりができる生活を楽しみにしています。
<指導教員からの講評>
基本コースは敷地や設計条件が設定されておりその枠組みの中で計画していきますが、彼女の作品は基本コースの枠を飛び出しディプロマコースかのようなコンセプトワークに優れています。まるで実在するかのような人物設定がされていてヒューマニズムにあふれ、時には叙情的で悲哀にあふれその物語に引き込まれていく、そんな感覚に陥ります。ぜひ拝読していただき彼女の物語を体感してください。<眞野 サトル>
WORKING+ 卒業展2021 インテリアデザインコース賞
小南 萌夏 空間デザイン学科
人が集う家 卒業展2021 奨励賞
折口 健太 住環境リノベーション学科
今回のコンセプトは「人が集う家」です。
こだわった点は露天風呂と屋外プール!皆が集まり利用出来るように考えました。コロナ禍で多くの人々が自粛しており友人の家に集まる事が出来ないので、コロナ禍以前の自由な環境をイメージして作成しました。
住宅部分ではリビングにある和室でくつろぐ事もでき、静かに集中したい時は2階の書斎で過ごす事が出来る様にしています。
<指導教員からの講評>
当初から彼は自分を素直に表現し、敷地調査の時点から彼の建築に対する考えが素直に表れていました。建物の計画では建設予定地のイメージに沿った外観を始め、本人の想いが詰まった建物になりました。図面もさることながら、模型でも構造をきっちりと理解しており必要部材等も組み込み、図面及び製作期間もきちんと厳守し完成させた作品です。私はこの作品を通して彼の学校生活も含めた人間模様が作品にあらわれていると思います。<山本 順也>
融合 ―和と光の建築― 卒業展2021 木造施工管理コース賞
細川 礼貴 住環境リノベーション学科
「和と光のコラボレーション」
日本の「和」をテーマにそれを軸とし自然と一つの空間に家族の皆が集まり団欒になる空間。漫画や映画などから発想を得ながらどこに居ても自然の光が差し込む間取りとし、子供心をくすぐるような隠し部屋や上り棒などの数々。親戚やママ友、会社の同僚、子供たちの友達などが大勢集まれるような大空間…自分が取り入れたいと思ったものをふんだんに取り入れた夢の家を形にしてみました。
<指導教員からの講評>
彼は卒業設計に限らず、何事に対しても一言言いたい!!という性格であり、内心心配しておりました。今回もやはりいきなり火が付いたように制作をおこないました。最初のコンセプトは忍者からからくりのある家等の思いを取込みながら進行していきました。途中で構造や納まりなどで理解できないことが出ると気持ちがズレ、UP DOWNの連続でギリギリ間に合った作品で模型では彼の思いが一番に表現出来た作品だと思います。<山本 順也>
自然に寄り添う家 卒業展2021 奨励賞
鈴木 英晶 住環境リノベーション学科
卒業設計を制作する為に敷地、コスト等に制限がないという所から豪華なものにしようと考えました。敷地は地元和歌山の広大な敷地。南に海が広がり北は特徴的な山がそびえ和歌山の自然を感じられる場所です。
建物規模が大きい為図面及び模型に時間がかかり、アイツ完成出来るのか?と心配されていましたが、見事完成しました。
卒業設計を通して構造や工程、模型の精密さや重要性を学び、将来に役立つ知識と経験を学べたと思います。
<指導教員からの講評>
彼の作品は、計画当初から決まっていたようで自分自身が将来建てたい家があったようです。その思いがあったからか敷地の決定から必要な説明資料も早々に仕上げ、瞬く間に建物を計画し図面作成と問題なく進捗していき最終の模型までも当初心配していた事を忘れるような勢いで完成させました。図面を始め図面と製作模型まで気を抜くことなく、予想以上に彼の心にある気持ちが表れた完成した作品だと思います。<山本 順也>
子供達が飽きない幼稚園 ―令和TERAKOYA― 卒業展2021 建築施工管理コース賞
武市 大和 住環境リノベーション学科
自分がもし通うなら…?と想像しながら計画しました。子供の目線になって床に遊べるような模様を作った所が私のこだわりの一つです。この設計を通して施設を利用する人の立場になって考えることが一番重要だということを学び、自分がしたい建物や見た目だけ良い建物にこだわるのではなく、視野を広くして利用者のニーズに応えながらこだわりを持って設計する事が一番大事なのだと気づけました。
<指導教員からの講評>
「子を持つ親が安心して預けられる幼稚園をつくりたい。」
一児の父として愛する我が子に向けた優しさ溢れる作品である。プランの詰めの甘さや表現の粗さはあるが、園児だけではなく保護者や職員もワクワクさせるこだわりが所々に見受けられた。学生でありながら家族を想い、形を実現させる為に努力を惜しまず考え出された計画されたこの建物は彼の人柄も表れており、さらに磨きをかければより素晴らしいものになると考える。<佐本 亜希子>
老人ホーム兼家族ホテル 卒業展2021 奨励賞
劉 啓鋒 住環境リノベーション学科
日本の高齢者の割合は他国と比べ高く、2019年日本の人口の28.4%が65歳以上、14.7%が75歳以上であり都市計画に対して老人福祉施設の建設は必須である。日本の老人ホームは社会福祉法人や医療法人が運営する公的施設と民間企業が運営する民間施設とがある。どちらも主に介護士が入居者のお世話をするため介護業界の人手不足が深刻な問題になっている。私は老人ホームの設計を通してその対策も必要であると感じた。
<指導教員からの講評>
日本の高齢化問題に触れながら今の日本に必要な施設は何か。豊富な知識を活かし完成させた建物である。計画敷地である姫島には宿泊施設が少なく、面会に訪れる家族は不便を感じるのではないか…そんな状況を改善させるべく考えついたのはホテルを併設させる事。ホームで過ごす人たちだけではなく、面会に訪れる人達にも配慮された設計である。細かい納まりにも気を配り丁寧に考えられた計画には彼の意志の強さと優しさを感じる。<佐本 亜希子>
病院のある幼稚園兼託児所 卒業展2021 奨励賞
堀 颯太 住環境リノベーション学科
今回、卒業設計に取り組んで苦労した点は2点です。
1つ目は、3つのテーマを1つの建物で表現した事です。その結果自分の想像よりも規模が大きくなり過ぎました。2つ目は、意匠図と施工図の整合性をとることに苦労しました。
今回の卒業設計では、なかなか施工図を理解する事が出来ず、何度もやり直しました。
しかし、進めていく中で理解が深まりました。いろいろ苦労しましたが、今まで味わった事のない達成感がありました。
<指導教員からの講評>
彼は、幼少期の辛い経験から今回の卒業設計のテーマが決まりました。 自分で様々な事を調べていく内に、思いが広がり3つの異なる用途施設を一つの建物の中に表現してくれました。 制作中は、彼の長所である探求心が強く好奇心旺盛な部分が顔を覗かせ、様々な事を調べた事を形にしていく姿に彼の成長を感じられました。 大規模な建物でしたが、真面目で努力家の彼らしい作品が出来上がったと思います。<井上 嘉亮>
Do It Your self 創美ファクトリー 「"つくる”楽しさをしる」 卒業展2021 奨励賞
松本 海希 住環境リノベーション学科
コンセプトは「つくる楽しさを知る。」
DIYという言葉が最近よく取り上げられ、誰でも簡単に作れるという事からホームセンターでもDIY目的の買い物客が増えてきました。しかしいざ作るとなると道具の用意や騒音、ゴミなどの問題があります。そこで計画敷地に隣接するホームセンターで購入した材料をこの施設で作り持って帰る。家族で気軽に立ち寄れる様、作業スペースの他に遊戯室も設け家族皆で楽しめる建物としました。
<指導教員からの講評>
彼のアルバイト先からイメージを受け、人々にものづくりの楽しさを知ってもらいたいという話から計画がスタートした。彼の計画は奇抜な物ではなく、実用性を重視した設計となっている。意匠の追求ではなく、「実在する建物の構造にどれぐらい近づけられるのか」という事に焦点を置き指導を実施。機械室や塔屋も細かく計画し、実際の建物ならばどういう納まりになるのかを考えた作品である。<佐本 亜希子>
OFFICE併設型 地域が集う道の駅 卒業展2021 奨励賞
山田 蓮 住環境リノベーション学科
私はオフィスが併設する地域が集う道の駅を計画しました。
計画敷地付近には小中学校が多くあり、高速道路の出入口が近い事を活かして地域を活性化させられる様な施設を設計する事にしました。オフィス・学校行事・旅行客の寄り道スポット。利用者全てに笑顔になってもらえるような建物にする事で地域が1つにまとまって見える事を目的とし考えました。
<指導教員からの講評>
作るならスケールの大きい建物を手掛けたい!という彼の意気込みから設計がスタートした。
地域の人々の生活拠点となっているスーパーマーケットの敷地。土地の特性を活かしながら更なる地域活性を図る為にはどうすればよいか…相当悩んだようであるが地域の人々の目線に立ち、こんな建物があればいいな!という想いで描き上げていた。
今回で得た経験を基に将来施工管理者として大きく成長してもらいたい。<佐本 亜希子>
道路交差点設計 卒業展2021 奨励賞
亀本 雄一郎 土木工学科
本作品は、私たちが日ごろ頻繁に使用している平面交差点の設計です。与えられた交通条件をもとに、交差点で渋滞が発生しないよう、信号の長さを調整するなどして計算した上で、交差点の幾何構造を決めました。一番苦労したポイントは、平面図の右折・左折導流路を描く部分です。内側半径・外側半径・緩和曲線の半径を算出し、それらを組み合わせて描いています。是非交差点の真ん中に着目してみてください。
<指導教員からの講評>
この作品は、ある交通流を想定し、その交通流を捌くことができるような交差点を設計するという、土木のソフト面である「交通工学」をメインとしたものである。信号現示をトライアル計算により調整し、需要率を下げて交通流を捌くことができる交差点が設計されている。一方で、ハード面についても、道路幾何構造は道路構造令に準拠されており、苦労した導流路も正確に描かれている。ハード面とソフト面の両方が考慮された、現実の設計に近い作品であった。<広瀬 一樹>
地下埋設物調査 卒業展2021 道路設計コース賞
宇髙 緑・土井 陸斗 土木工学科
私達は将来、インフラに関わる仕事をするので卒業設計の課題として『地下埋設物調査』を選びました。
はじめは、地下埋設物調査について何も知りませんでしたが、調べていくうちに水道・下水道・ガス・電話など地下埋設物の状況が一目でわかる『複合図』と呼ばれる図面の完備されている市町村が非常に少ない事を知りました。
そこで私達は、複合図は災害時のインフラ復旧や平常時の維持管理において重要な資料だと考え、実際に調査から複合図作成までをおこない、複合図の期待される効果を研究しました。
<指導教員からの講評>
この作品は、水道・下水道・ガス・電話等の管理者が個別に保管している台帳(地下埋設状況が把握できる図面)を基に、地下埋設物の『全体状況を見える化』するため複合平面図および複合断面図を作成した。
各管理者の図面の専門記号や用語の解読は容易ではなく、測点毎に埋設物深さ(土被り)の比率計算や道路肩からの寄り寸法、管径の割出など地道な作業の積み重ねにより完成させた。<川西 幸男>
道路路線設計 卒業展2021 道路設計コース賞
楮 壮一朗 建設エンジニア学科
道路設計コースの道路路線設計は地形図を使い、山頂に向かって片側幅員5m、全幅10mの道路を300m計画するというものでした。
与えられた地形図上の距離をCADで計測し、Excelでまとめ、そのデータから現況の地盤高などを算出し、その結果を元に道路の計画を実施しました。途中間違いに気づき訂正することもありました。
最初は何を計算しているのかわからない部分もありましたが、作業が進み図面などを作成しているうちに、その関連がわかり、学校で学んだ事もそれぞれ関連性があり、順序立てて考えなければならないことがわかり面白かったです。
将来は自分の会社で現場の施工も施工管理も出来るようになりたいです。
淡路島の土木はレベルが高く、少ない人数でも大規模な仕事を効率よくやり遂げると聞いたので、私もそれがきるようになりたいと思っています。
<指導教員からの講評>
道路設計コースの道路路線設計は、入学してから学んだCAD製図、測量学、施工学などの知識を基に、地形図をもとにペーパーロケーションで等高線を読みながら、縦横断測量から土量計算までの一連の流れを実施している。この設計はこれまでの学習成果である知識を活用し、直線の道路ではあるがAuto CADやエクセルの計算機能を活用し道路を計画し図面にまとめている。<野瀬 孝男>
上町公園 改修工事計画 「2年間のまとめ」 卒業展2021 奨励賞
西川 真優 ガーデンデザイン学科
今回、西淀川区姫島にある上町公園の改修工事の計画をさせていただきました。
この工事計画の内容としては、実際に近隣に住んでいる公園の利用者の意見を参考にして計画させていただきました。既存の築山を利用した滑り台を設置したり、周りの柵を高くするなど、利用者の安全を考慮した改修計画とさせていただきました。
今回の計画で学んだことを、今後の就職先で活かせればと思っております。
<指導教員からの講評>
今回の計画地は、西淀川区の公園であったため、頻繁に現地調査を行い、近隣住民の使用状況や要望を聞き込み反映させた、より現実的な改修計画であった。既存の築山を活かした遊戯施設の設置や、利用者の快適性を考慮した四阿や舗装、安全に配慮した柵等、細部に渡って検討したため、改修箇所も多くなったが、積算や人工数量、工程表、施工フローの確認など施工計画書を作成していく中で、安全管理や品質管理、使用重機計画なども含め、現場責任者として各工種の細部に渡って全体を把握していった。意欲的に取り組んだ過程から、施工管理者としての姿勢を学び、2年間の集大成が作品に表現されている。<坂 一朗・中安 哲男>
上町公園 改修工事計画 「2年間の締めくくり」 卒業展2021 施工コース賞
近藤 雷 ガーデンデザイン学科
卒業制作を通して、今後自分が進んでいく業種に役立てていきたいと考えながら取り組みました。その為、些細な施工金額のミスなど徹底して確認、修正を繰り返し施工管理という仕事の進め方の流れなどを掴んでいきました。
改修工事のプレゼンテーションでは聞き手にどのポイントを伝えたいか、自分の努力した部分などを的確にアピールする事を意識しながら行いました。
ですが、そこまで完璧に伝えることはできず、緊張に負けてしまいましたが、これからの自分の糧になると思っています。
<指導教員からの講評>
この計画は、約400㎥の既存築山の全撤去や、大規模複合遊具の設置、安全面を考慮した約800㎡の張芝や、約200㎡の人工芝などシンプルではあるが、1,500㎡の敷地において規模が大きい改修工事である。必要な工種を分析し、施工計画を立てる中で、各工事に関わる資料を収集し様々な要素を学び、内容を把握していったことが、最後のプレゼンテーションでの説得力のある説明に繋がった。工事の全容をわかりやすく説明するために考えられた組み立ては、詳細まで内容を把握している現場責任者の視点での組み立てであった。<坂 一朗・中安 哲男>
「Feel the light ~生活の一部に~ 」 卒業展2021 奨励賞
宮原 想太 ガーデンデザイン学科
計画地の周辺環境や立地条件から誰もが気軽に利用できる複合商業施設を計画。庭は季節とマイナスイオンと光と高低差を意識して設計。水と人との距離を近づけることでマイナスイオンを感じさせ、光を多く取り入れる工夫をちりばめました。また高低差を活かした滝には、陰と陽、自然を意識し洞窟を設置。施設建物屋上からも滝、滝上の植栽、空が見え、それぞれからの滝の風景が大きな見どころとなっています。また施設内の移動にも配慮しユニバーサルデザインも取り入れました。
<指導教員からの講評>
近隣住民をターゲットに幅広い年齢層のコミュニケーションを生むものとして図書館及び本屋とカフェからなる複合商業施設を主とし、1,500㎡の計画地を周囲の道路面から3,0m掘り下げ、滝と水の流れを身近に感じさせる癒しの庭園空間を提案。‘光’をキーワードに随所に陰影を取り入れ様々な工夫を凝らしダイナミックな自然風景を作り上げた。思いを実現するための努力を惜しまない、しつこいまでの探求心が内容を深め、2年間の集大成と納得できる作品に仕上がっている。<明石 祥子>
「 ~子供空間・大人空間・みんなの空間~ Urban Forest Park」 卒業展2021 設計コース賞
戸澤 幸 ガーデンデザイン学科
この作品をつくろうと思ったきっかけは、普段目にする日本の公園のタイプが、どこも同じようで面白味がないと日々感じていたことでした。普通の公園には無い、人の関心を引くようなものを作りたいと思いこの公園を計画しました。周りの地域の環境や雰囲気から、どの年代層にも利用してもらえて日常的に使える、交流の場となる施設を設置し、姫島の町に少しでも多く緑を増やそうと思い植栽計画にも力を入れました。
<指導教員からの講評>
緑が少なく、小さな工場が点在する西淀川区姫島の住宅地内に、昼夜を問わずファミリーで楽しめる2つの施設を計画。同敷地内に様々なアクティビティを取り入れた緑豊かな緑地空間を提案。レトロな雰囲気で統一された施設と自然一体型アクティビティが作り出す空間は、いかにも設計者ならではのスパイスの効いた独特の世界観を表現している。この計画は自然を求める多くの人々に安らぎと癒しを与えると共に、西淀川区の地域活性化に強く貢献するものと評価する。<明石 祥子>