学生たちの受賞作品
プレゼンテーションを見る
作品画像を見る
プレゼンテーションを見る
作品画像を見る
ゴミリ(ゴミ+リサイクル) 卒業展2022
HORT HOURHAK 建築学科
この作品はプノンペン都にある昔のゴミ埋立地だった敷地にゴミ問題に対してリサイクル施設を造ろうという提案です。カンボジアでのゴミ問題を解決する手段としてゴミリサイクルに関する知識や意識を住民に広げたいという目的です。
敷地の全体を緑化することによって大きな公園となり、この中に見学者向けのリサイクル施設を設けました。この施設を通じてゴミ問題に関して知識や意識を持って理解して頂ければと思います。
【指導教員からの講評】
カンボジアの首都プノンペンでは、近年の著しい経済成長に伴って様々な社会問題が発生しており、その中のひとつである、ごみ問題を主題とした作品です。
カンボジアと日本の実情を知る留学生ならではの視点で、両国の文化の違い、習慣の違い、意識の違いを感じ取り、解法を提示すると共に、急速に高密度化している都市を緩和させる緑地と共存させるなど、現存する問題の解決に向けて意欲的に取り組む姿勢が見られます。 <福山 亮介>
ヨリミチトンネル 卒業展2022
大岡 瞳 建築学科
旧商店街と新商店街がある事でどちらとも感じられる場所、そして昔のような活気を取り戻したいという思いからこのようなデザインにしました。昔ながらを大切にしたい地元の方の気持ちと、新しい時代に沿った新しい事の導入を組み合わせ活気の戻る商店街になればとデザインしました。
挫けそうな時も卒業設計に挑む仲間が居たことで、心強く挫ける事なく最後まで作品に取り組む事ができました。
【指導教員からの講評】
観光地である金比羅さんへの参道も、今や昔の賑わいをなくして、シャッター店舗が目立つ商店街となっていると言う。
地元を知る若い世代が卒業設計を通してこの社会的問題を取り上げ、現地調査及び地元の声を聴き「取り戻す工夫」を提案することに、大きな意味合いがあると思わせる作品である。
「トンネル」が過去と未来をつなぐ、希望の空間づくりとなっている。 <青砥 聖逸>
架け橋 卒業展2022
岡本 永輝 建築学科
私は卒業設計を通して、多くの自分に足りない点を見つけることができました。
それはプラン固く考えすぎること・自分がやろうとしていることやその地域などの知識・特徴や注目点を捉えきれてないことなどです。
3つ目の特徴や注目点を捉えきれてないのを例に挙げると今回の最後のプレゼンまではあまり山道に意識を向けれていなかった点などです。
今後は今あげたような自分に足りない点を減らせるように意識していきたいです。
【指導教員からの講評】
青砥ゼミでは何故かしら、先輩達が取り組んだ山間部の見直しをテーマに、 2年連続で取り組んでいます。
この作品も限界集落とコロナ禍における社会的問題を学生の目線から提案した作品です。都会から離れ、コワーキングを通じて癒す風景を眺めながら、デザインが村の魅力を引き出し、村と村を現代の要求を踏まえて、「つなぐ」手立てとなれば幸いです。 <青砥 聖逸>
まわりみち 卒業展2022
柳川瀬 さくら 建築学科
私の地元である兵庫県丹波市柏原町の商店街の改修を今回の卒業設計で取り組みました。
住民と観光客、長期滞在する関係人口の3つの人種のコミュニケーションを自然と取れるような計画をしました。
1年間卒業設計に取り組んできて思うように作業が進まなかったり、伝えたい事が上手くまとめられなかったり、大変な事も多かったですが、先生や友達に支えられ、とても充実していて楽しかったです。
【指導教員からの講評】
昔は町の中心的存在であった商店街が少子化や時代の流れにより衰退していく。
学生自身が育った町がシャッター商店街化していくのをなんとかしたいという思いから始まりました。
これからの時代にどのような方法が活性化につながるか様々な角度から検討してくれました。試行錯誤の中うまく進まないこともありましたが、最後まで減速せずにやりきってくれました。この卒業設計の試行錯誤がこれからの設計につながっていくと思います <吉田 秀栄>
⇒100% 卒業展2022 準グランプリ
坂本 七星 建築学科
私は「人対人」をテーマに、卒業設計に取り組みました。私は、世間一般でいう普通の人でない分、普通の人が受けることのない言葉の苦味や痛みと共に生きてきたと思います。この卒業設計を見て、様々な人がこの世の中にはいるんだと知って貰えたら嬉しいです。
一人一人違うからこそ人生は興味深い。常識よりも非常識を。一回きりの人生、自分にとって最高の人生になりますように。
【指導教員からの講評】
「多様性」というキーワードが社会の至るところに目にするようになりました。
「多様性を認める社会」はとても素晴らしいことですが、人の心の器は小さい人も少なくありません。人の違いを押し付けることなく理解しあえる場所はどのようなものかを考えてくれました。哲学的で芯をもつことがかなり難しかったと思います。本人の強い思いがこの難しいテーマを完成まで導いてくれたかと思います。 <吉田 秀栄>
時の宿 卒業展2022
宮﨑 翔大 建築学科
人間の都合によって自然の場所を減らし、自然との関わり方を忘れ、人間の都合良く生活していることに疑問を持ち、今回の卒業設計に取り組みました。
今回の卒業設計を通して人間はどうやって自然と生きていくべきなのか、本来はこうあるべきではないのかということに重きを置き考えていきました。
作業を進めていく中で今までどれだけ恵まれて生活したか、自然とは美しいだけでなく恐ろしいこともある、抗えないこともあるということを再認識しました。
【指導教員からの講評】
自然とは何か?都会で育った彼は考えました。自然の大きさを感じ「謙虚」を伝える建築がテーマでした。建築のできることの枠を超えているかもしれない内容でしたが、なんとか道筋を見つけていきました。
自然の大切さは誰もが理解していることですが、人の生活はそれに伴った行動をしていない。身近で大きな課題に真正面から考えた内容だと思います。 <吉田 秀栄>
都市の中のサナトリウム-高架下に創るゆるやかな居場所- 卒業展2022
長倉 未来 建築学科
私はひきこもりの生きづらさをテーマにサナトリウムを設計しました。
現在日本のひきこもりは100万人を超えていて今までにひきこもった経験がある人は10人に1人います。そこで差別や格差などによる社会からの見えない境界線によって出来てしまう生きづらさを感じさせない居場所を創りました。
高架下のどこまでも繋がっている空間を利用して、自分自身と長く付き合って生きられる世界になれたらいいなと考えました。
【指導教員からの講評】
本作品は、今や誰もが普通になり得る“ひきこもり”をどのように社会定着させるか、という感度の高いテーマに取り組む。別人格として隔離してしまうネガティブな発想に留まらず、人類が高速度・高密度を求めて創り出した産物「高架」を都市の未利用地として発見し、逆に緩やかな時間と場所の流れを提供する場「サナトリウム」に変換させ、“ひきこもり”に対する偏見を和らげ、シームレスでほんのり優しい都市空間を魅せている。 <鍵山 昌信>
葬の場 ~八幡浜の生業と火葬場をつなぐ~ 卒業展2022 グランプリ
宇都宮 壱彩 建築学科
私は今回の卒業設計で、葬の場をテーマにして取り組んできました。このテーマを選んだ理由は、実際自分が親族を亡くして葬儀に行ったときに、葬儀場と火葬場が離れて建てられており、移動の際に想いが一度途切れてしまうと感じました。そこで、故人と遺族が向き合い弔う場所を計画することとしました。
今回は模型にも力を入れました。期限ぎりぎりまでかかりましたが、最後までやり抜くことができてよかったです。
【指導教員からの講評】
本作品は、地方が抱える若者流出の上、さらに新型コロナで追い打ちをかけられ加速化する「親族間や近隣とのつながりの喪失」に対し、「火葬」というテーマで取り組んだ極めて現代的な視点をもつ。八幡浜という地域特性と独特な地形を入念に調査して生み出された造形は、人を弔う人生の大事な時間・空間を、「ここにしかない」景観と体験に変換することに実現し、「これからの人と人のつながり方」の可能性のひとつを暗示させる。 <鍵山 昌信>
イヌネコヒト 卒業展2022
永田 和聖 建築学科
私は卒業設計のテーマとして、ペット問題について考えました。コロナ禍によるペットブームの影響で飼育放棄されるイヌネコが急増し、イヌネコたちの命が軽く扱われる現状をなんとかしたいと思ったのがきっかけでした。そこでヒトとイヌネコがつながることで、互いを尊重し学べる場を設計しました。
敷地と町をスロープでつなぎ、そのスロープが作るヒトにもイヌネコにもフォーカスをあてた空間が交錯し交流を促す計画をしました。
【指導教員からの講評】
私と学生がそれぞれに飼っている、または飼っていたペットの話からテーマが決まった。敷地は彼女の地元の里山的風景を望む自然と人工の境界地である。この地域から施設とその運営可能とする役割を見つけ出し、それらをつなげることで全体を構成されている。またその「つながり」を「スロープ」として具象化・空間化し、設計している。現時点ではその内容に見合うだけの模型の完成度とは言えず、少し残念。 <田中 おと吉>
憶の邂逅~憩いの場における文化的価値の再考~ 卒業展2022
藤原 健汰 建築学科
茫洋とした地元の公園に、町役場のマスタープランと自分自身が感じた経験を手掛かりにして、地域の文化的価値を再認識できる複合施設を計画した。町に散らばっている魅力を公園という子供の遊び場に集約することで伝統と発展、過去から未来へと人々の使命感を駆り立てる。これは、観光地化することに町の発展を見出すためのものではなく、住民の快適な暮らしと集いの場所を内側から活性化させていく町おこしである。
【指導教員からの講評】
町の生活を支えてきた港を埋め立てて出来上がった公園とバイパス道路は街の活力を奪ってしまった。そこを敷地として、そこで生まれ育った地元民の視点で場所の特性を読み解き、住民とともに場所を作り上げるプログラムを組み立てた。コンサル主導の地域開発的な手法から脱却しきってはいないけれども、困難な課題に対してまとまりのある回答にまで達したところは評価に値する。 <田中 おと吉>
備 楽 卒業展2022
田中 景梧 建築学科
私は「洪水」をテーマに、現代のテンプレート化している画一的で不可逆性の強い土木的施策を続けていいのかを喚起する卒業設計をしました。ここでは現代の土木的機能を取り入れつつも、住民が主体となって参加できる建築的行為によって防災と向き合うことができます。この装置により、ただ洪水を拒絶し抑え込むのではなく、昔のように受容し向き合うきっかけとなる提案としました。
【指導教員からの講評】
2018年の西日本豪雨で岡山県真備地区の堤防が約100mに渡り決壊し、甚大な被害をもたらした。彼は現在進行しているその復旧土木工事の手法に疑問を持ち、環境をねじ伏せる現代の土木事業と置換可能な建築的手法を探った。まず地域の特性や土木の歴史を調査し、それを地域の人たちが参加する建築行為へと昇華させた。過去に巨大な防潮堤を標的に戦いを挑んで敗れた学生を見てきたが、この敷地は扱いやすい規模であり、無理のない提案に仕上がっている。 <田中 おと吉>"
つくらないをつくる風景 卒業展2022
杉本 真衣 建築学科
帯もない本に、小さな穴から覗くことしかできない模型。ぼんやりとした主張。多くの人の目に留まるような華やかさはない。しかし、人から勧められたのではない、自らが発見し解釈したものは特別なのだ。まるで、ある人の意外な一面を自分だけが知った時のような。マイナーなアーティストの、自分だけの隠れた名曲と出会った時のような、そんな感覚。この作品に目を留めてくれた誰かにそんな風に思ってほしくて、私は積極的に消極的になった。
【指導教員からの講評】
「つくらないをつくる」。建築をつくることの意味を捉え直す試み。つまり新たに物理的な建築をつくらないでまちづくりのあり方やコミュニティを問い直すことが出来るのではないかという発想。既存の町並み、シャッター通りと化した商店街を利用して、失われたもの失われゆく風景への個人的な憧憬する気持ちを手がかりに、小さくささやかなきっかけを促し、人々にノスタルジックな情景へ思いを馳せ、憧れを芽生えさせることで今の時代にふさわしい解答を求めた。また作品の提示のあり方が、従来のステレオタイプな説得型手法にとらわれることなく、鑑賞者のimpressionあるいはfeelを重んじるアートよりの形式を用いたことで、彼女の知性、見識の高さとものづくりに対する関心を申し分なく表現出来たオリジナルで魅力的なものとなっている。<角野 峰生>
幼老複合施設 卒業展2022
丸山 奨眞 建築学科
卒業設計で社会問題の解決を探るため、実体験をもとに幼老複合施設を設計しました。
老人ホームなどの施設に入りたくないと考える人に、自ら進んで行きたくなるような施設となることをを目指しました。まだ元気で若い頃から施設を利用して孫世代の子供たちと交流する。子供たちは地域の大人たちとの関わりを持つことで社会性を身につけてゆく。
幼稚園と老人ホームはそれぞれ別の棟ですが、中間に交流できるスペースを設けることで1つの大きな空間を共有するかたちとなっています。
【指導教員からの講評】
彼自身の経験から感じた少子高齢化社会での問題に対する解決策を卒業設計の課題とした。有り勝ちな発想を個人的視点で見直すことで彼なりの解答を得られた。プレゼンテーションのまとめ方は荒削りで稚拙な面も多く見受けられるが、ドライな彼が普段には見せることのないものづくりへの執着を見せてくれた。彼が指導担当者との対話を通じて、一定程度の結果を見出し、等身大のかたちに結実することが出来た。最後まで粘り強く作品に向き合った成果に称賛を送るものである。 <角野 峰生>
緑のトンネルから見える遊歩道図書館 卒業展2022
寺奥 太一 建築学科
卒業設計に取り組んだことは、まずテーマです。去年の夏休みから卒業設計がスタートしました。
最初は白紙の紙から始まり今に至ります。テーマを決めることはその建物の第一印象になるので一番考えて今のテーマになりました。
次に模型製作です。建物の中にある柱を模型で作るのが一番しんどい部分ではありましたが、今まで作った物の中で一番達成感がありました。
【指導教員からの講評】
一般的な公共建築特有のひと棟づくりの「大舎化」を避け、「分棟」にしてその建物間を少しうねりながら遊歩道とつなげる平面計画を、高く評価したい作品である。
アフターコロナの建築デザインは「箱からの脱失」で、ランドスケープデザインが重要視される。基本設計コースには珍しく、模型製作まで挑戦した表現提起は秀逸である。<青砥 聖逸>
やわらかい図書館 卒業展2022
石橋 和樹 建築学科
建物を丸くさせ誰でも気軽に来れる雰囲気になっています。
高齢者にも優しく中はあまり段差がなくエレベーターがついていています。
一階は地域の人たちや子供たちが勉強など、調べ物が簡単にできるようになっています。
二階にはアトリウム空間があり、休らげる空間となっています。更にたくさんの緑があり外を感じさせる空間になっています。とても心地よい空間になっています。
【指導教員からの講評】
決まり切った公共建築から脱却して、正しく「心地よい地域に根差した図書館」となっている。敷地を掘り下げることにより、四方からのアクセスを高め、内部空間とつなげている。
そのことにより地上の抑制の効いた建築が計画されており、この課題への提案が明確に打ち出されている作品である。
建物形状も円形をモチーフに上手く関連付けて計画されていて、その空間構成はCGを駆使して豊かに表現していて高く評価したい。 <青砥 聖逸>
「No TITLE」 卒業展2022
金髙 瑠奈 建築学科
夜遅くまで学校に残って、その後は家で続き。いつでもどこでも物語のなかに潜りこんで、浮上して。そんな繰り返しの日々。
他のことが手につかなくて、考えれなくて後回し。最終週は別課題にも追い込まれて頭がおかしくなりそうだった。
だけど、やはり、楽しかった。
自分の大好きな場所。物。色。価値観。表現。
すべてが私の頭の中にあって、それを建築を手段として表現するのはなんとも言えないやり甲斐と、熱さと。自由に表現できるのは楽しい。それを誰かにも、これを読んでるあなたにも、素直に感じて欲しい。
達成感たるものは強くはなかったし(終わりのない物語だから)後悔も無いとも言えない。
が、それでも価値のある物語だと。
とても楽しかった。
【指導教員からの講評】
自身が大好きな本と向き合い、新しい図書館とは何か?を自問した作品。その表現方法がおもしろい。30㎝の正方形に束ねられた本という形をとっている。その中で自ら設計した建築を小説の舞台とし、物語が進んでいく。繊細で軽やかな文章がその図書館を空間体験させ、透明感のある物語に引き込まれる。
建築はトップライトを伴う中央の巨大なヴォイドを囲むようにスロープが上階まで登っていくダイアグラムとなっており、自身が望む本との出会い方やその返却方法の工夫が語られていく。空間のシンプルさと心地良いワードを選び文章化していることとが相まって、すらすらと読み進められる散文的私小説といったところかという感想を持つだろう。
しかし、あとがきでドキッとさせられる。なぜならこの作品は、建築の教育や表現に対する当たり前に疑問を抱いたことに起因するという。シニカルにこの基本コースを選択し、建築を小説という形で表現し、あえて当たり前とされる枠組みを壊すことを意図していたという結末に。表現の仕方を一つの指標にするのであれば、その姿勢は評価に値するものだと思う。<東野 友信>
運動公園-wooden gymnasium for health and environment- 卒業展2022
遅 秀芬 建築学科
環境問題と健康について考えることができる体育館をメインにした複合施設の計画。二重CLT構法を採用し、大空間をつくることで天候に関係なく、同時に様々なスポーツを行える場所としました。運動に対する需要を十分に供給し、運動の習慣をつけやすい環境をつくることで人が健康が保ちやすくなると考えました。また再生可能エネルギーを採り入れる等、サスティナブルな運営ができる工夫をし、自然との共生もテーマとしています。
【指導教員からの講評】
出身地である中国での体育館をメインとした複合施設の計画。当初は体育館のみの計画であったが、その建物が存在する意義や効果を高めるためのヒントから形をつくり、健康と環境を結びつけて問題の改善プラス国民の意識改革もできることを視野に入れた複合施設となった。内容はアドバイスを素直に形にさせたものとなっているが、毎週きちんと相談に来て、コツコツ完成させた彼女の努力の賜物であると評価する。 <岡﨑 祐介>
ここから始まる林業の時代 ~建築で林業の活性化~ 卒業展2022
大路 輝 建築学科
衰退してしまった林業をこの提案で活性化を目指し、木を植えることは銀行に貯金することよりも価値のあること、と再び言えるようなサスティナブルな林業にしていきたいと思いました。建物の一部をシステム化にすることで、どこの山でも簡単に建てて解体することができ、林業以外の目的で建てることもできます。この建物で林業に変化が起き、活性化につながればいいなと思いました。
【指導教員からの講評】
国内林業の問題改善と地元の宍粟杉の活性するための計画。林業の問題点を分析して改善方法の提案をするとともに林業だけではもったいなさを感じてしまうところはワーケーションやキャンプ等の使い方も可能にすることで、組み合わせにより無駄をなくして有効に活用できているところが良い。わからない部分もまずは自分でトライすることで、相談時に改善点も見えるように進めたところも評価できる点である。 <岡﨑 祐介>
人と自然 卒業展2022
土佐 陸斗 建築学科
小さいころからよく訪れていて思い出詰まっている田辺市。外国人宿泊客が年々増加しており、観光だけでなく人々の交流や休息をテーマに美しい大自然を生かした宿泊施設を計画しました。自然を楽しみ、木の温かみを感じてほしいと考え構造は木造としました。自然がもたらす癒しの効果を目一杯感じてもらい、心も体も休めることを目的としました。卒業設計を進めていく中で何回もやり直したりといろいろ試行錯誤したり思い通りにいかないことも多かったですが、完成したときの達成感は今まで感じたことのないことで、やりきることの大切さを学びました。
【指導教員からの講評】
自分の「好き」を追求し、自分の「好き」な場所を課題に取り込んだ作品です。一つ一つ 学習してきた内容を見える化し、足りない部分を補う学習を積み重ね、形にすることができたのではないでしょうか。誰かと比べることなく、課題に一途に向き合ったことは評価に値し、もっと自信をつけて、自信をもって活躍していくことを願います。 <上野 祐紀>
淀川オフィス 卒業展2022
只腰 裕基 建築学科
構造設計とは、「想定した力」に耐えられるように部材を決めることです。
図面から材料や寸法を拾い出し、「部材に生じる力」を計算し、必要な鉄筋を求めます。
そして、配筋図として図面化します。
計算による「確認」から、安全な建物を作ることが可能となります。
結果として、図面と施工・積算が深く理解できるようになりました。
どうぞ「計算書・構造図」をご賞味下さい。
2021年度 構造コース8名を代表として
【指導教員からの講評】
「構造コース」は、8名の学生と泉先生と荒木でスタートしました。
8~9月期は、泉先生の指導の下に全員参加でのゼミを実施。
10~12月期は、個々に分かれて、「部材設計」に取り組みました。
卒業設計を通して、理解できたこと、見えてきた景色があり、
そこには、図面と施工がより深く理解できるようになった姿がありました。
それでは、「計算書・構造図」をご堪能下さい。
<荒木 伸輔>
Royal Links 事務所 卒業展2022
Sheren Gabriela 建築学科
本課題の建築は X 方向22メートル、Y 方向12メートルの面積のRC造2階建ての「事務所ビル」です。法令で決まった積載荷重を計算に使って、建物の主要な骨組である柱・梁・基礎の鉄筋本数を決めていくのが主な仕事になります。建物を実際に建てるとき、安全性を確保すると共に、建物に必要な鉄筋量を計算することは、私にとって「楽しみ」の一つとになりました。
2021年度 構造コース8名を代表として
【指導教員からの講評】
「構造設計」とは、「想定した力」に対して「安全性の確認」を通して、部材を決めることです。
図面から寸法等を拾い出し、「荷重」と「応力」を計算し、必要な部材を決め、構造図を描きました。
終わる頃には、図面と施工がより深く理解できるようになりました。
夜の始まりを告げる頃、地道な「計算」の間に交わされる会話の時間が、良きものでした。
それでは、計算書・構造図をご堪能下さい。 <荒木 伸輔>
紡ぎまち ~歩いて繋がるまち~ 卒業展2022
河村 美憂 建築学科
本計画は私のふるさとである、愛媛県の東部に位置する西条市を舞台とした。かねてよりこの地は、南海トラフ地震が起きた際 死亡者数が県内の中でもずば抜けて多いとされている。その原因として県内統計より高齢者が多いことや、若者と高齢者の関わりの場がほとんどなく、災害時誰がいて誰がいないのか分からない状態が発生するのではないかと考えた。そこで、災害時に力を発揮する「強い絆」を育めるコミュニティを計画することとした。空き家を改修するものから、デザインコード、いわゆるその地の景観を構成する要素を重要視した耐震性の強い建物まで幅広く設計した。これらが建設されることで、災害時は元より、日常生活における人と人との繋がりを今以上に根強く幅広く構成することが出来ること願っている。
【指導教員からの講評】
いつ発生してもおかしくないと言われる、南海トラフ大地震への対策として、まとまりのある社会環境を「地域の組織力」を 活用することにより築いていくことが大切であるのは明白。その具体的な策を作者の故郷である西条市という地域において、ひとつのまとまりをもって災害に対応することができるよう、「地域共助」のあり方を建築的側面から提案している。重要な担い手のひとりとして、建築の学びの結びにこれを課題として取り組んだことには、建築人として歩んでいく今後に大きな意義がある。 <見邨 佳朗>
然と動く 卒業展2022
井上 将志 建築学科(夜間)
この卒業制作は、当然の様に毎日通り、一番想い出が深いはずの最寄駅周辺に、一番目を向けていなかった自身の愚かさに向き合う事から始まりました。この場所は、最も付近で人が通る場所にも関わらず、閉鎖的で積極性が欠けていました。そこで、よりこの場所を街に開き、調和することで、人も自然環境の一部である意識を持ち、若者から主体的に環境に配慮するきっかけを、そんな期待を込め『然な形』を意識しながら設計しました。
【指導教員からの講評】
本作品は、合計15時間にわたる現地調査を実行した上で、歴史・植物の生態・地理地形と、カタチを決めるために3つのアプローチから入った。地元の特徴をしっかり捉え、そこから「創生される価値」を建築的に訴えるべく丁寧に制作に取り組むことができた。建物の内と外にガラスを用いた明確な境界線はあるが、視覚的感覚的にはそれらは識別できず、周囲の木々の高さや駅からの目線、ランニングコース、遊歩道など修景に配慮・共生に着目・意識した作品と評価した。 <見邨 佳朗>
mingle house 若者単身移住者促進シェアハウス 卒業展2022
坂井 夕貴 建築学科(夜間)
「mingle house」は若者単身者移住促進の為のシェアハウス・ゲストハウス・カフェ併設店舗からなる施設である。地方の抱える高齢化の問題とI・Uターンを望む若者の「住む場所がない・仕事がない」という問題を取り上げ、香川県三豊市のまちづくり計画を軸として計画した。地域の魅力を発信でき、かつ移住者が地域住民やシェアメイトと交流しながら居場所を確立し、まちに混ざり合っていく媒体となる施設を目指した。
【指導教員からの講評】
「mingle」とは「混ざり合う」の意。小さいものが大きいものに混ざり合ながらも各成分が識別できる場合に用いる。移住者がまちづくりに参加し、アイデンティティを失わずに地域に混ざり合っていける、そのような施設を目指した総合計画である。自然環境の保全と活用を図りながら、地域活力を加えた雇用を生む産業誘致や育成という、循環型社会の実現に建築的に切り込めたところを評価したいと思う。コミュニティ意識や地域を誇りに思う気持ちを醸成し、モノ・ヒトを大切にする心を育む、地域の仕組み作りに活かされていくことを願う。 <見邨 佳朗>
専用住宅 卒業展2022
大谷 風花 建築学科(夜間)
設計課題にあたり、先ずは住宅の計画を1番に家事動線を意識しました。計画に伴い収納量にも考慮し従来住宅の15%目標より増やし、箱物家具(既製品家具)を置かなくても生活できるように意識して配置の計画を実施しました。また、リビングスペースから2階廊下への吹き抜け、2階スタディからの駐車場への繋がりなど上下空間の繋がりにも意識しました。女性ならではの心遣いのある設計が出来るようにこれから働いていきたいです。
【指導教員からの講評】
住宅の設計について、本人がこだわった計画の説明を受けました。本人がコメントでもあったように、女性ならではの感性をもった計画だと感じました。製作中も色々と試行錯誤しながら作品を完成させていく姿は印象に残るものを感じました。性格もよく出ており、実際の仕事にも通じるものがある作品だと思います。今後の仕事でもその提案力と持前の個性ある明るい性格を活かして活躍して欲しいです。 <増田 和浩>
蛍の軌跡 ~大阪国際空港周辺の景観緑化計画~ 卒業展2022
中司 雄介 建築CGデザイン学科
卒業設計の目的を考えるうちに「またここに戻ってきたい」と思える場所をテーマにしたいと思いました。
場所を探すうちに、それらを解決する場として大阪国際空港に辿り着きました。蛍池という地名から蛍が水辺を儚く飛び交い舞い戻る様子をこの場所で人の人生の「始まり」や「門出」から「終わり」や「旅立ち」という節目の出来事に組み込みながら表現したいと思いました。
【指導教員からの講評】
本作品は、豊中市のマスタープランに掲げられている大阪国際空港周辺緑地に隣接するエリアにおいて、緑化計画を元に、都心とは一線を画したまちづくり計画とした。空港で繰り広げられる様々なシーンを人生に置き換え、蛍池を拠点とした、人々のドラマを建築で表現することを試みた。学科の特色のひとつである動画作成は如実にそれらを表しており、学習成果がしっかり見て取れるものとなった。 <見邨 佳朗>
世界島 卒業展2022
林 泰旭 建築CGデザイン学科
今回私が制作した世界島という作品は、ネットが普及され外国人との付き合いがしやすくなった現在にふさわしい作品にするため、まず様々な文化から生きてきた人たちの間に生まれる誤解や勘違いなどすべてを経験しつつ、より理解力のある人として成長させることと、他国の文化を近いところで接しながら学んで行くということが目的です。そのためなるべく中立的な位置でどの文化でも受け入れるような建物として成長させて行きたいと考えました。
【指導教員からの講評】
作者は、国家間の歴史認識の違いや異文化の理解不足によってかけ違えられたボタンを、何とかして修正し本来の姿を取り戻すために、建築が果たせる役割は何なのかを考えた。建築が固有の色を持たず(個を主張せず)、利用する人たちが場面場面によって個の色に変化していけるフレキシブルなものであることを目指すことで、お互いを認め合うことを表現した。自国を離れ大きな視点で思考の展開を表したこの作品は彼の成長を表したものと言える。 <見邨 佳朗>
若者たちの詩 ~ A city where music nurtures young people ~ 卒業展2022
植木 智也 建築CGデザイン学科
私たちが生きているこの日本では、様々な問題があります。私はその中でも若者の問題をピックアップして考えました。ただ建築の力だけで解決に導くことは、本当に解決に導けるのか?と悩み、音楽の力も掛け合わせて解決に導こうと考えました。
私自身、様々な場面で音楽の力に救われたことがあります。音楽の力をもっと身近に濃く感じてもらい、問題解決に導き、これからの未来を担って行って貰えたらと考え、設計しました。
【指導教員からの講評】
不透明な未来への不安、やり場のない思い、言葉にできない心の叫び。もがき苦しむ若者の想いを、発信力のある音楽と、空間による抱擁力を持つ建築、このふたつの力で受け止めることできるとするならば、と言う思いがこの計画の出発点であった。姫路エリアの中に、他人と交わったり、ひとりになって自己を見つめ直すことができる、そのような居場所を複数作り、街が建物が、個性ある彼らを見守りそして応援できる仕組みとした作品である。 <見邨 佳朗>
Flud 卒業展2022
BIMA PANJI YUDIVA 建築CGデザイン学科
小さいころ、あの海でよく遊んでいた。友達と会話をしたり、太陽が沈むまで笑いあっていた。その記憶のすべてを一瞬にして飲みこむような、洪水が発生した。日本に行く前にも、その海辺を何度か訪れたが、かつての美しい思い出と同じように感じることはできなかった。卒業設計において 流されてしまった多く人たちの喜びや過去の記憶を取り戻したいと考えた。
この計画が形になったときに人々は、過去を思い出して、尊い命を忘れずに未来に向けて進んで行けると信じている。
【指導教員からの講評】
西スマトラ島カンバンの美しい海岸に沈む夕日に人々は、多くの思い出を重ねてきた。形のあるものないもの、かけがえのないものを一瞬にして奪い去った。2011年11月に発生したその出来事を作者は忘れることができない、忘れてはいけない、未来に伝えなくてはならない、その思いを形にすべく日本で学んだ建築の集大成に選んだ。対象エリアを過去・現在・未来のゾーンに分け、そこに伝統とmodern、創造を重ね合わせ形を作り出した。国境を越え人々の思いを受け止める建築を意識しながら制作にあたった姿勢も併せて評価したい。 <見邨 佳朗>
mangekyo 卒業展2022
角田 真鈴 空間デザイン学科
卒業設計は学校の課題とは違い、全部まっさらな状態からかたちを作るので想像以上に大変でした。でも、自分がやりたいと思ったことを半年以上かけて考えられたのは貴重な時間だったなと思います。これから卒業設計をする新2年生、卒業設計大変なイメージが強いと思います。でも、自分で考えたテーマを楽しまないと意味のない時間になってしまいます。大変だったけど、いい時間だったなって思えるよう頑張ってください!
【指導教員からの講評】
学生自身が置かれた時代の中で『考える力』を養うために建築空間が寄与できることは何かを考えた作品。Z世代と言われ選択肢が多く、そして不安定な世代がそれぞれの主張をどのように示し、社会と関わる機会をどう作り出すかを考えています。建築空間の成り立ちとして既存の街(周辺建物)のアウトラインを投影する手法は秀逸で、剥き出しの建物構造が持つモジュールを空間形成の手掛かりにしている。展開するモノ・コトを利用者に一方的に任せるのではなく、空間構造が可能性を示す事でより柔軟な考えを生み出す仕組みの提案です。 <阪本 剛史>
一反の橋 失われつつある伝統工芸「浪華本染め」と、東横堀川かいわいの再生 卒業展2022 準グランプリ
前田 咲夏 空間デザイン学科
大阪府の伝統工芸品である『浪花本染め』と、浪花本染めが生まれた土地である『東横堀川』をテーマにした作品です。消えつつある伝統工芸品を街に必要な存在にすることで、土地や人の記憶に残り続ける物にしたいと考えました。
卒計設計は中間のプレゼンテーションやブラッシュアップなど大変なことも多かったですが、完成した時の達成感は今までの中で1番です。とても良い経験が出来たと思います。
【指導教員からの講評】
興味を持ったことをまずは現地に行き人に会って徹底的にリサーチする。測る、聞く、読む、調べる。設計の初期では当たり前のことだけれど、この「当たり前」がなかなかどうして難しい。情報をインプットしつつ感覚を頼りに整理しなければ良いリサーチにはならない。終わりの見えない行程にもどかしい思いをしたことだろうが、今年のディプロマ鍵谷ゼミで担当した両名ともにリサーチの質量では他の誰にも負けていない。そしてこの「当たり前」をしっかりと行ったこと、行なえたこと。これが彼女たちの最大の強みだと感じている。良い卒業設計だと思います。 <鍵谷 啓太>
秩序の痕跡 卒業展2022 準グランプリ
秦井 穂 空間デザイン学科
日本には消滅可能性都市が存在します。自分の暮らす街が消滅してしまうかもしれないというあまりに非現実的で、おぞましいことが 数年後には起こりうる世界で 私たちは生きています。ですが、消滅都市を 一度受け入れ、あえて消滅を行うことで 再生の取っ掛かりになるのではないかと考え計画しました。自分自身で課題を見つけ設計に落とし込むのは 難しく、苦戦する日々でしたが、 担当の先生のご指導もあり 自分なりの答えを表現することができたと思います。
【指導教員からの講評】
人口減少、少子化、過疎化など現代の日本が抱える問題に対して一旦は受け入れつつも再生する転換点にどのような建築の在り方が考えられるのかを彼女のユニークな視点で問う作品です。
空き家化し解体する建物の基礎という普段は潜んでいる部分を残し、再生する街の秩序と痕跡として活用します。
何十年後かに人口増加のタイミングでこうして「基礎」を手がかりに再生された街は画一化された駅前再開発とは違い地域の文化風習に寄り添ったある種の懐かしさを感じる街並みになると期待せずにはいられません。そんな時代が訪れるのを楽しみに待ちたいと思います。 <眞野 サトル>
世界を変える力 卒業展2022
VALENCIA CHRISTINE JOHN KARLY 空間デザイン学科
地球温暖化を抑えるための活動をサポートするには私が木の大事さを世界中の人々に与えるテーマを取り組みました。現在、世界から注目を浴びている2025年大阪万博を通じて、酸素発送がいい種を世界中の人々に配ることを目的にしました。しかし、単に種を配るだけではなく、この小さな種を将来的にはどれぐらい力を持ってるのかを実感させたいです。そして、最終目的としては地球の酸素パーセンテージと空気質を上げることです。
卒業設計を通じて結構苦労しましたが、自分の成長を感じて、すごく楽しかったです。
【指導教員からの講評】
2025年大阪万博を契機に来場する世界の人々に改めて環境問題に目を向けて欲しいという想いで提案された作品。広大な敷地設定の中に地球環境の変化を時系列に見て取れる施設計画がなされています。現実と未来を同時に見つめながら深刻な地球環境を受け止める事が出来、誰もが出来る植樹という行為により、種を世界中に広げ100年先の環境を豊かにする構想が描かれています。インドネシア出身の彼女が見る未来の地球環境に対し、学ぶ・知る・生かす事がテーマとなった計画です。1本の木が貢献できる環境改善は微々たるものですが、世界規模での広がりが及ぼす影響は計り知れず、複雑さを取り払いシンプルな行為による長期的視点が温かみを感じさせてくれる作品となりました。 <阪本 剛史>
―ROUND― 感覚を巡る 卒業展2022
樋口 梨央 空間デザイン学科
私は今回の空間提案で、Fashionと空間を融合させることを目的としました。なぜこの二つを融合させるのかというと普段私たちは必ず衣服をまとっています、衣服は空間が最も縮小して体にフィットした状態、そして衣服そのものが空間であるとも言えます。この二つを合わせることで新しい感覚が生まれると考えました。様々な感覚がありそれは無限大、忘れていた感覚を感じてください。
【指導教員からの講評】
自由な提案とは無限にあるから難しい、今回生みの苦しみと楽しみを彼女は2つ経験しました。だったら一番好きなことをやってみては?そこから始まった今回の作品ですが、どこから手を付けてよいか悩んだ末、突然沸き上がったひとつの発想に夢中になって取り組みました。すでに迷いはありませんでした。この経験をこれからの作品造りに活かしてください <田中 嘉代>
Life Goes On 卒業展2022
中野 友里恵 空間デザイン学科
今回私が計画したコワーキングスペースは性別、年齢、人種など関係なく誰もがいつでも利用できることを目的に計画しました。ジェンダー平等を求められる昨今、仕事をしながら子育てをする女性や留学生のために教え合いができるスペースを設けて気軽に利用してもらえるような空間を計画しました。家具や照明選びをするにあたって、自分のイメージするスタイルに近づける楽しさやパースを描くことに時間をかけたので是非見ていただきたいです。
【指導教員からの講評】
この作品は、本人そのもののように思えます。彼女が2年間真面目に取り組んで学んだことを形にすると、自然とこの形になったのです。丁寧で不自然さがなく、素直さがあふれている作品です。インテリアは生活の舞台ですから自然と自分の生活力が現れます、日ごろから正しい生活をされていることが伺えます。基盤はできました、これからは独自の提案力を養っていきましょう。 <田中 嘉代>
小さな世界の中心 卒業展2022
鉛口 実由 空間デザイン学科
今回の作品のタイトルは、この場所をひとつの小さな世界と見立てて、その中心にある中庭がここで暮らす人たちの憩いの場や交流の起点になるという意味を込めてつけました。
模型は細かい作業も多く大変でしたが、植栽や人、家具などを作り込んでいくことで、彩り豊かであたたかみのある作品に仕上がったと思います。
卒業設計は求められる量も仕上がりも今までの課題とは段違いでしたが、その分達成感もすごく良い経験になりました。
【指導教員からの講評】
「SDGsの実現に配慮し、多様な住戸タイプとコワーキングスペースを持つ集合住宅」という課題指定での設計案。
各住戸同士の距離感と、住民ライブラリーなど共有施設群の構成とバランスが良いと思います。
この案における最大の発明は、中庭の存在を、階をまたぐ丘として仕立てたこと。これにより立体的な関係が生まれ、彼女の言う「ちいさな世界」を現出させています。また、コワーキング部分の家具などのフォルムもリズミカルで、読むほどに楽しい設計となっています。
そして本設計で最も評価したいのは、彼女の設計に対するひたむきで真摯な姿勢と努力です。ゼミ指導にあたり、毎回しっかりとエスキスを重ねて臨んでくれたので、いつも楽しみにしていました。この努力がしっかりと結実し、本学科基本設計コースの名にふさわしい卒業設計になっていると感じます。 <鍵谷 啓太>
つながり 卒業展2022
石田 佑輝 空間デザイン学科
今回の卒業設計で、重要視したところはコワーキングスペースです。今現在の世の中の情勢から、今までよりも就職率の低下などが増え、生きがいや働きがいといったことにも影響を与えると思いました。そこで、さまざまな専門職の人とのつながりを持つことができ、経済成長へとつながることを意識しつつ、現代社会に寄り添えるように設計したところがポイントです。 また、卒業設計を進めていく中で、自分で試行錯誤を繰り返しながら課題に取り組めていけたので、とても達成感がありました。これを糧に頑張っていきたいです。
【指導教員からの講評】
彼は、私のゼミの中で唯一手描き製図で卒業設計に取り組みました。進めていく中で悩んだり試行錯誤がありますが手を抜くことなく自分に向き合って卒業設計を社会に問うという姿勢が垣間見えました。作品は地域や人種、属性など様々な分断が社会問題化される中で「コワーキングスペース」と集合住宅という異なる要素を設計条件を遵守しながら住宅部分に人の集まりを織り込むという難しい作業をやってのけました。それがこの作品に込められた「つながり」というタイトルに如実に表れています。 <眞野 サトル>
広々空間と趣味部屋のある家 卒業展2022
小出水 陸 住環境リノベーション学科
私は卒業設計を始める為に、地元で計画したいと考えて、敷地を先に見つけました。製作する中で先生にコンセプトを考えるようにと言われ、何が良いかと悩みました。コンセプトは、自分の趣味を活かす建物で決め、それから計画して図面を仕上げていきました。制作中は、間取りがうまく行かず時間がかかり、何とか完成することが出来ました。
今回の卒業設計で大工としての木造の構造や工程などが分かり、今後の将来へ役立つ知識と経験ができたと思います。
【指導教員からの講評】
彼の作品は、当初は何も決まっていないようで自分自身が何を建てたらいいのか?どんな家がいいのか?から始まりました。それから色々と考えながら敷地の決定から必要なことを実行し、瞬く間に建物を計画し図面作成と問題なく進捗していき最終的に当初心配していた事を忘れるような勢いで完成させました。図面を始め最後まで気を抜くことなく、予想以上に彼の心にある気持ちが表れた作品だと思います。<山本 順也>
自転車と共に暮らす家 卒業展2022
粟津 貴明 住環境リノベーション学科
卒業設計を制作する為に、まず敷地を探しながら、自分のコンセプトに合わそうと考えました。敷地は、通学途中にあり、そこは道路が3面あり広大な敷地でした。この場所ならと思い敷地として選びました。
制作中は、計画図面で時間がかかり、「完成出来るのか?」と心配されましたが、私は完成させる自信で無事完成しました。
今回の卒業設計で木造の構造や工程などが分かり、構造では、部材や寸法など今後の将来へ役立つ知識と経験を学べたと思います。
【指導教員からの講評】
打合せ当初から彼は自分を素直に表現しておりました。先ず敷地調査から考えを実施し、彼なりの建築への考えが素直に表れた作品となった。計画の建物については計画予定地に沿ったイメージを用いて動線を始め本人の想いが詰まった計画となったと思います。図面もさることながら、構造等を理解していき、必要な形状と部材等も図面及び期間もきちんと厳守し完成させた作品です。私はこの作品を通して彼の学校生活を含めた人間模様があらわれていると思います。 <山本 順也>
バイク好きがバイク好きによるバイクのためのカスタム屋 卒業展2022
荒木 隆 住環境リノベーション学科
私のコンセプトは、バイク仲間が集まる住宅です。バイクに乗るのが趣味で、共通の趣味をもつ仲間たちと素敵な時間を過ごしたいと思い、設計しました。
カスタムショップと宿泊の出来る集会所と自分の家族が住むプライベート空間を一つの建物にまとめる事や動線を意識した間取り等を計画するところが一番苦労しました。
自分が設計した建物の構造図を作成するのが初めてで戸惑いましたが、作業を進めていく中で、理解する事が出来ました。この経験を生かして現場で活躍していきたいです。
【指導教員からの講評】
彼はバイク好きでバイクを通して人との繋がりを形にした作品でした。カスタムバイク屋としての店舗、友人が集まれる集会所、プライベート空間を一つの建物の中に納める事に苦労していたが、彼自身の考えを形に出来たと感じた。構造図、矩計図を描く事で、構造部材や構造について理解が深まり2年間の学習の集大成になったのではないでしょうか。真面目に取り組んだ彼らしい作品でした。 <井上 嘉亮>
COMMUNITY LIBRARY 卒業展2022
中川 裕太郎 住環境リノベーション学科
私が設計したのは図書館です。
コンセプトは、地域社会に密着した図書館です。地域社会に密着出来るような空間を取り入れ様々な人に利用してもらえるように工夫をしました。
卒業設計で苦労したのは2つあります。
1つ目はプランニングです。
様々な人に利用できる空間を取り入れ、それらを適した位置に配置計画した事です。
2つ目は、基礎伏図です。
基礎伏図を始めとした施工図を書くのは、初めてであり理解するまで時間がかかった事です。
卒業設計を通して得た知識や経験活かして、一人前の現場監督になれるように頑張っていきたいです。
【指導教員からの講評】
「図書館を中心としたコミュニティーの形成をどのようにするのか?」という問に、彼が出した答えがこの作品である。コミュニティーをどのように形成していくのか、図書館に必要な機能や施設はどのような施設があるのかを、1から自分で調べ形にした。現場で使用される施工図も見やすく描くように気配りをするなど、温厚で親しみやすい彼らしい作品として仕上がっている。今後、現場監督として活躍していく姿に期待したい。 <井上 嘉亮>
道路交差点設計 卒業展2022
木村 勇斗 土木工学科
この作品は、私たちが日ごろ頻繁に使用している交差点の設計です。与えられた交通条件をもとに、交差点で渋滞が発生しないよう、信号の長さを調整するなどして計算した上で、交差点の幾何構造を決めました。計算結果を反映させながら内側半径・外側半径・緩和曲線の半径を算出し、それらを組み合わせて平面図の右折・左折導流路を表現したところはかなり苦労しました。是非交差点の真ん中に着目してみてください。
【指導教員からの講評】
この作品は、ある交通流を想定し、その交通流を捌くことができるような交差点を設計するという、土木のソフト面である「交通工学」をメインとしたものである。信号現示をトライアル計算により調整し、需要率を下げて交通流を捌くことができる交差点が設計されている。一方で、ハード面についても、道路幾何構造は道路構造令に準拠されており、苦労した導流路も正確に描かれている。ハード面とソフト面の両方が考慮された、現実の設計に近い作品であった。 <広瀬 一樹>
地下埋設物調査 卒業展2022
大道 健矢 土木工学科
私は将来水道に関わる仕事がしたいと思い、地下埋設物調査を研究しました。 地下埋設物のデータを結合することにより、『全体状況の見える化』を実現することが 可能になり、災害の復興工事や日々の工事の中でも無駄のない効率的な作業工程を形成 することができます。 地下埋設物を調査して複合図を制作する作業は今後の日本においてとても必要のある ものだと理解しました。
【指導教員からの講評】
地下埋設物調査の目的は、地上からは目視で確認できないガスや上下水道などの位置を調査し、一つの図面にまとめ『地下全体の見える化』をすることである。
各管理者の資料を一つの図面にまとめるには埋設物の深さと水平位置の計算や専門記号の解読・管径の割出など作業量の多い課題であったが、着実に作業を積み重ね複合図を完成させた。 <川西 幸男>
道路路線設計 卒業展2022
竹内 錬 建設エンジニア学科
今回の卒業設計は、地形図を使い、山頂に向かって片側幅員5m、全幅10mの道路を300m計画するというものでした。この作業の中で難しかったのは、現況の縦横断図を作成するための測量でした。完成に近づくと測量学で学んだ事の意味が理解できて来ました。さらに授業で学んだExcelやAutoCADの使い方の基本的な操作が、今回の卒業設計で身についたと思います。卒業後の就職先で使いこなせるようになって行きたいと思います。
【指導教員からの講評】
道路設計コースの道路路線設計は、入学してから学んだCAD製図、測量学、施工学などの知識を基に、地形図をもとにペーパーロケーションで等高線を読みながら、縦横断測量から土量計算までの一連の流れを実施している。この設計はこれまでの学習成果である知識を活用し、直線の道路ではあるがAuto CADやエクセルの計算機能を活用し道路を計画し図面にまとめている。 <野瀬 孝男>
新佃公園改修工事計画 卒業展2022
蔵本 将治 ガーデンデザイン学科
課題に取り組むにあたり、すぐ思いついたのは、複合遊具を中心とし、インクルーシブな遊具を取り入れた公園の施工計画です。テーブル型の砂場は、車イスの子供でも遊びやすく、新たなコミュニケーションを広げる場になればいいなと思い計画しました。今回の課題で、計画から積算までの流れを知る事ができ、この経験を活かして社会に出ても頑張りたいです。
【指導教員からの講評】
今年度の施工コースは、現況分析から計画主旨を検討し設計をした上で、施工計画を実務的な視点から確認しながら、取り組んでいきました。 子ども利用者が多いことから複合遊具の設置、障害のある子どもも遊べる遊具、安全面を考慮した舗装など、利用者のニーズに対応した計画となっています。
施工計画では、現況施設の全撤去から始まり、現況植栽の移植、新設の各施設や植栽等、工種が多く大変でしたが、材料の数量計算、積算、工程表の作成等を着実に進めていく中で、詳細まで内容を把握し、施工計画の流れを掴んでいき、施工管理者として自分の計画にしていった。
作品には表れにくいところですが、取組姿勢は安定していて、全体を見られる視野の広さや安心感があり、今後就職してからも現場責任者として頼れる存在になると思います。 <坂 一朗>
息抜き 外で楽しむカフェ 卒業展2022
高尾 虹桃 ガーデンデザイン学科
この作品を作ろうと思ったきっかけは、受験生の私の従姉妹が、「夏休みに図書館で勉強しようとすると、朝から多くの人で席が埋まっていて利用できず、その周辺にも勉強できるような飲食店もないので、結局家で勉強している」という話を聞いたことでした。計画地周辺には学校が多く、従姉妹のように勉強する場所がなく困っている学生が多いのではないかと考え計画しました。
頑張って造った模型の池にある柵とハンモックはすごく大変でしたが、立体的に出来ていくのがすごく楽しかったです。
【指導教員からの講評】
子育て世代の移住が目覚しい西淀川区内の計画地に、子供たちをターゲットとした学びの場を提案。コロナ禍でも人気の高い屋外キャンプやグランピングの要素を取り入れ、ソーシャルディスタンスを保ちながら、緑の中で安心・安全に、そして静かにゆったりと勉強や読書が楽しめる庭園空間は、立地条件や周辺環境をしっかりと把握しているものであり、多くのニーズに上手く答えるものとして、西淀川区の新しいスポットになるに違いない。 <明石 祥子>
お菓子と庭のバイキング ・子供心と冒険心 卒業展2022
池永 亜衣莉 ガーデンデザイン学科
建物を敷地の真ん中に置くことにより、その周りを一周する庭にしました。そうすることで様々なジャンルの庭を設計できました。庭と庭の境目は違和感がなくなるように自然風にしたり、植栽の種類も工夫しました。
自由な設計ができる最後の機会だと思い、自分の好きなものを詰め込んだ結果、とても複雑な図面になってしまいましたが、悔いのない卒業制作が出来たと思います。
【指導教員からの講評】
この作品は、設計者が修成で2年間に学び得た造園に関わる全ての知識や技術を存分に発揮し、欲張りつくして完成させたものであると言える。様々なテーマを持った異なるスタイルの庭園を一つ一つ造り込み、それらをあらゆる手法で違和感なく繋ぐ工夫が絶妙で、プレゼンでは聞く者がその空間に誘い込まれるような感覚にさえなる程、徹底したテーマ性のある空間づくりと表現力が冴えた。「悔いのない卒業制作」に全てが現れている。 <明石 祥子>
ハレとケ “日常までも記憶に残る場所” 卒業展2022
周藤 香苗 ガーデンデザイン学科
計画地周辺には小中学校があり、民家や集合住宅が多いため、西淀川区とその周辺に住む家族層を主なターゲットとした地域密着型の写真館を計画した。出入り自由な広場と記念撮影のできるフォトガーデンで、日常と特別な日のどちらも記憶に残せるアットホームで居心地の良い空間づくりをした。緑の多いこの写真館は、一度撮影して終わりではなく、何度も撮影に訪れるたびに人も植物も成長を感じられる楽しみがある。
【指導教員からの講評】
計画地周辺の家族層をターゲットにした写真館を計画するに当たり、写真館が抱える問題や周囲が抱くイメージ、改善点を事前アンケートにより調査。その結果を一つずつ解決し、多くの家族に長く愛され、親しまれる写真館を提案してくれた。施設内には室内撮影に留まらず、沢山の緑の中で太陽の光を感じながら撮影できる空間など他にはないフォトガーデンを設置。植物の成長に時間経過を深く刻むことのできる家族の場所として人気が高まりそうだ。 <明石 祥子>