雄大な琵琶湖を望む敷地に
多くの高木が映える植栽工事。
西武造園株式会社/
ホテル植栽工事(滋賀県)
西武造園株式会社 西日本統括支店 みどり環境部 工事課 原田 由支将さん
農業系の高校でみどりを扱うおもしろさを知ったことが造園の仕事を志したきっかけ。これまでホテルや商業施設などの植栽工事に従事してきた原田さんに、施工管理ならではのおもしろさや、造園の仕事のやりがいを語っていただいた。
西武造園株式会社
西日本統括支店
みどり環境部 工事課
原田 由支将さん
農業系の高校でみどりを扱うおもしろさを知ったことが造園の仕事を志したきっかけ。これまでホテルや商業施設などの植栽工事に従事してきた原田さんに、施工管理ならではのおもしろさや、造園の仕事のやりがいを語っていただいた。
100本以上の
メタセコイア並木を中心に、
和・洋を織り交ぜた豊かな植栽。
滋賀県に新しく開業するホテルの植栽工事で施工管理をしています。琵琶湖のほとりに位置し、水の都・ベネチアをイメージした意匠が印象的なホテルで、植栽はヤシやアカマツなど高さが10mにものぼるような高木が多いのが特徴。当社はこの現場で高木を中心とした植栽工事を手がけています。特に敷地の入り口からホテルへと向かうメインの道路が100本以上のメタセコイアの並木道となっているのが見どころ。ほかにも、洋風の植物を中心としつつ桜など和風の植物もうまく織り交ぜられています。
このホテルの現場では高木を中心に扱い、中には高さ10mを超えるものも。広くゆったりとした敷地に洋風・和風の植物が美しく共存しており、訪れる人の目を楽しませる。
作業の段取りと計画、
そしてプロとしての提案も大切。
私の主な仕事は、木を植えるための位置出しや、材料の搬入調整、職人さんの手配と作業の計画、現場の点検などで、中でも大切なのは作業の段取りや計画です。比較的大きな現場のため他の工事を行う協力会社も多く、常に2週間先までの工程を確認しながら、お互いの工事がスムーズに進むよう調整を行っています。また、作業を行う職人さんが気持ちよく仕事ができるようにするのも大切な役割。1日に5〜10名、多い時には20名ほどの職人さんに入ってもらうのですが、一人ひとりに合わせたコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことを心がけています。
工事は設計会社からいただいた図面をもとに進めます。この現場は1000本ほどの木を用い、種類も植える場所も図面ですべて決まっているのですが、時にはこちらからさまざまな提案をすることも。例えば、日当たりの良い場所に直射日光や乾燥に弱い木がある場合や、土壌改良が必要な場合などです。施主様や設計者の意向を大切にしながらも、造園のプロとして恥ずかしくない仕事をしたい。常にそう考えながら、納得していただける提案と説明を心がけています。植物は個体差があり、形を変えていくため思い通りにならないこともありますが、だからこそ時には図面を超えて技術やセンスを活かせる幅が広がります。この点が造園の楽しさではないでしょうか。
現場への材料の搬入は他の工事を行っている協力会社と工程の調整をしたうえで行う。使用する木はすべて番号を振って管理している。
大きな裁量を持って、
ものづくりができるおもしろさ。
施工管理のおもしろさは、やはりゼロから自分たちでものづくりができる点だと思います。決まりきったルーティンワークではなく、先のことを考えながら取り組めるので、飽きることがありません。大きな裁量が与えられ、責任も大きい分、やり切った時の達成感は格別です。身体も頭も使う仕事なので大変なこともありますが、それらがすべて吹き飛ぶほどのやりがいを味わえます。また、多くの人が訪れるような話題性のある現場に関われるチャンスがあるのも魅力。訪れる人たちの楽しさや便利さに貢献している実感がわき、やっていて良かったと思います。
みなさんも外に一歩出れば、必ずと言っていいほどみどりが目に入ってくることでしょう。そんなみどりをつくり、守っていくこの仕事は、今後もAIに取って代わられることはないはずです。多くの若い方に興味を持っていただき、一緒に業界を盛り上げていけたら嬉しいです。