GATUN! SPECIAL DISCUSSION けんせつ小町たちのけんせつ人生。 2/4

幼い頃の憧れや感動、喜びが、
ものづくりの道で生きる原動力。

辰井:佐本さんは修成に在学中、建築と土木を勉強されていたんですよね。どうして修成に入学したんですか?

佐本:高校生の頃から街づくりに貢献したくて、卒業後は建設を学ぼうと決めていました。そこでバリバリの文系だった私でも、みっちり集中して学べる学校を探したんです。

広田:その条件にマッチした学校が修成だったんですね。

佐本:そうそう。専門学校を探していたときに修成に「都市デザイン学科(現 住環境リノベーション学科)」というのがあって、「この学科なら街づくりに必要な土木と建築を両方学べる!」と思ったの。学科名の響きがおしゃれだったのも、気に入って(笑)。

川村:私は子供の頃に実家を新築したのが、この業界に興味をもったきっかけ。何もないところから、毎日少しずつ家がカタチになっていくのを見るのはワクワクしたな〜。

鷲谷:なんかステキですね。それで建設を学ぶために広島から大阪にやってきたんですか?

川村:うん。修成なら歴史もあるし、しっかり学べると思ったの。

広田:すごい行動力ですね!

辰井:私は中学の頃に実家を建て替えたんだけど、担当してくれた女性設計士の働きぶりがかっこよくて、自分もああなりたいな〜って。美容や服飾の道にも興味があったけれど、そっちは趣味としても楽しめると思って。

鷲谷:確かにそうですよね。建設を個人で勉強するのは経済的にも環境的にも難しいし、趣味で楽しめる分野ではないですよね。

辰井:在校生の3人はどうして建設を学ぼうと思ったの?

広田:祖父が設備屋を営んでいたので、気づいたときにはものづくりの世界に興味を抱いていました。ちなみに、その設備屋は今、父が経営しています。

鷲谷:建設一家だね! 私も家族の影響が大きいな〜。両親ともに庭仕事が好きで、小さい頃からよく手伝っていたんです。それがきっかけで造園に興味をもつようになりました。

中田:私は幼馴染が住んでいた3階建ての家に遊びに行ったときに、部屋の階段を見たのがきっかけです。

広田:どういうこと?(笑)。

中田:ジャンケンで勝ったら、グーチョキパーって階段を登れる遊びがあるじゃないですか。当時、私が住んでいたのはマンションだったから部屋には階段がなくて、その遊びをするときは外の階段を使っていたんです。でも冬に外に出ると寒くてしょうがなくて…。

広田:それで友達の家にある階段がうらやましく思ったわけだ。

中田:そうなんです! それ以来、新聞の不動産広告でも階段の仕様をチェックするようになって、自然と建物にも建築デザインにも興味をもったんです。

辰井:私も住宅の広告は大好き! 図面を見ながら「なんでココに扉をつけるねん!」ってひとりで突っ込んでることもあるわ(笑)。

お客様と業者という関係を越え、
人と人としてつながれる仕事。

広田:みなさん、これまで色々な仕事を経験されてきたと思います。その中でも一番印象に残っているものは何ですか?

佐本:今の会社の仕事はほとんどが商業ビルの改修工事なんだけど、入社して6年目の頃に初めて住宅の改修工事に携わったの。その経験は思い出に残っているな〜。

中田:商業ビルと住宅の改修工事って、やっぱり違うものなんですか?

佐本:住宅の方が、お客様の要望が多いね。やっぱり自分が住む家だから、「ああしたい」「こうしたい」と出てくるの。

中田:そっか、毎日過ごすことを考えると、自然とこだわりも出てきますよね。

佐本:このときは商業ビルの工事とのギャップに戸惑ったけど、最終的には「あなたに頼んでよかったわ。もし何かあれば、また頼むわ」と言っていただけたの。

鷲谷:お客様からそういう言葉をもらうと、うれしいでしょうね。

佐本:そうですね。それ以来、仕事へのモチベーションも変わりました。商業ビルの工事でも担当者の要望を以前よりしっかりと聞くようになりましたね。住宅でもビルでもお客様の資産であることに変わりはないですから。

辰井:在校生一同、今の話ちゃんと聞いたか〜(笑)。忘れたらあかんで。

在校生一同:はい!

辰井:よろしい(笑)。私は初めて設計に携わった家が完成したときが一番印象深いな〜。基礎部分から屋根まで図面を書いて、構造計算もして、確認申請も出して…と、大変だったけど、完成したときにお客様からもらった「ありがとう」という言葉が忘れられない。そのお客様は1年後に点検でお家を訪問したときも私のことを覚えてくれていて、今でも毎年、年賀状をくれるの。

中田:佐本さんと辰井先生の話を聞いていると、建設の仕事って、お客様と業者ではなく、人と人として心が通じ合う瞬間があるんだな〜て思います。

辰井:まさにその通り! 川村さんは?

川村:正直、辛いことの方が覚えているんだけど(笑)。早朝、徹夜して完成させた図面をお客様に送って、一旦家に帰ってから出社すると「すぐに直して」って大幅な修正指示が入っていたこともあったわ。

辰井:ま〜、ぶっちゃけていうと、辛かったエピソードも少なくないよね。

川村:でも、そういう苦労の何倍もやりがいを感じる瞬間があるのも事実。

辰井:うん、それも共感できる!

川村:パソコンの中とか紙の上とかにあったものが空間として出来上がったときの達成感は、他の仕事では絶対に味わえないと思う。あと、お店の『顔』となってブランドイメージを左右する内装の設計に携われているやりがいも感じるわ。

辰井:さすが同級生。いいこと言う! どんなに大変な案件でも、最終的にはカタチとなって残る。人の暮らしと関わり、人とのつながりを感じられる。こんな仕事、なかなかないと思うわ。