GATUN! SPECIAL DISCUSSION けんせつ小町たちのけんせつ人生。 3/4

建設の世界で求められるのは情熱。
女性にも活躍のチャンスは必ずある。

鷲谷:佐本さんは現場で10年以上も働かれているんですよね。施工管理技士として最前線で働き続けてこれたワケは何だと思いますか?

佐本:8割が意地、2割が楽しさ。

鷲谷:けっこうシビアな比率ですね〜。

佐本:でも意地って仕事にはとっても大切。男性とか女性とか関係なく、「周りに負けたくない」って気持ちでがんばってきたの。気づいたら業界歴11年になっていたわ。

鷲谷:11年ですか。もうベテランの域ですね〜。

佐本:まだまだ見習いよ。もっともっと成長していきたい。

辰井:佐本さんがおっしゃるように、心の強さって業界で活躍するために必要だと思う。特に、人に流されず、こうと決めたら揺るがない芯の強さが大切。逆にここがブレなければ、女性でも男性と渡り合えると思うわ。ただ実は私、チキンハートなんだけどね(笑)。

中田:え〜!! それ、本気で言ってます?

辰井:突っ込まないでよ(笑)。川村さんも学生時代から、とても意志が固かったイメージがあるわ。

川村:そんなことないよ〜。

辰井:って、いつも可愛らしく言うんだけど、これはよそいきの顔だからね(笑)。

川村:精神面の強さは必要だけど、女性ならではの強みを生かせる場面も多くあるよ。

佐本:そうですよね。たとえば施工管理でいうと、男性と女性では視点が違う気がします。男の職人さんの仕事ぶりを見ていても、「ここの施工、甘い」みたいな箇所もたまにありますもん。男性の仕事はよく言うとダイナミック、女性の仕事は繊細な気がする。

川村:女性だと男性に注意したり、指摘したりもしやすいんですよね。

佐本:そうそう。自分の父くらいの年代の職人さんに指示を出す際も、女性の私から言うのと、同じ年代の男性から言うのとでは相手の受け取り方も違ってくる。女性の方がやっぱり物言いがソフトなんですよね。

川村:この前、テレビで見たんだけど、女性の方が色の違いがわかるらしいよ。たとえばピンク系の口紅はたくさんあるけど、男性はどれも同じ色に見えちゃうみたい。

広田:そうなんだ! 川村さんが携わっている内装の仕事は特に色を見抜く力が求められそうですよね。まさに女性の強みを生かせる仕事だ。

現場で磨いた技術は一生もの。
働く場が変わったとしても通用する。

川村:私が建設業界に就職した頃と比べて、職場の環境自体も女性が働きやすいものになってきたと思う。みなさんも現場で働いていて感じませんか?

辰井:同感! 最近は新卒で女の子が入ってきても驚かれることもあまりないみたい。

佐本:私も職場環境のよさは感じますね。

辰井:佐本さんはすでにご結婚されていて、お子さんもいらっしゃるんですよね。

佐本:3歳の娘がいます。

川村:私も去年結婚したばかりなのですが、育児と仕事の両立はできるもんなんですか?

佐本:できていますよ。産休も取得できましたし。

辰井:佐本さんの働き方は、これから建設業界で働く女性のモデルになりますよね。

佐本:私が働き続けられたのは、会社のおかげかもしれません。業界全体の環境整備はこれから進んで行くのでしょうね。

辰井:そうですね。でも働き方はひとつじゃない。子供が生まれてから、別の会社に移ってステップアップするのもありだと思うんです。仕事に対する熱意があれば、女性でも建設業界で一生働いていけると思う。

鷲谷:その言葉を聞いて、すごく勇気がわきました。卒業後、建設業界に就職できたら、結婚しても、出産しても働き続けます!

川村:お、力強い宣言だね! 建設の仕事は勤務時間も不規則だと思うのですが、佐本さんのご主人は理解してくださっているんですか?

佐本:旦那は設備メーカーの営業マンで、同じ建設業の人間なんです。しかも、元々は私が働いている会社に営業に来ていたので、仕事の内容もわかってくれているんです。夜勤とか土日出勤が続くと「どうなってんの?」と言われることもあるんですが、「よく知っているでしょ、それを承知で結婚したんでしょ」と返しています(笑)。

川村:そう言われると何も言い返せませんよね(笑)。娘さんが将来、「ママと同じ仕事をしたい」と言ってきたらどうしますか?

佐本:全力で止めます!

一同:

佐本:この仕事はやりがいも大きいのですが、それと同じくらい責任も大きいので、覚悟がないとできないと思うんです。何回か止めて、「それでもやりたい」となったら考えたいと思います。

川村:どこまで決意が固いか確かめるんですね!!