男、女ではなく「自分らしさ」が大事。
〈女子建築設計科(現:建築CGデザイン学科)1994年卒業〉 修成卒業後、設計職で数社に勤務し2004年に独立。現在は経営者としての仕事はもちろん、自らもデザイン・設計・監理を行う。建築物のデザイン・設計にとどまらず、グラフィックデザインなど幅広い仕事を手がける。
誰とでもコミュニケーションをとれる力と
明確なビジョンをもって感性と技術を高める。
沖田:今、勉強できる環境にいるからこそしておいたほうがいいことがあれば教えてください。
大下:取れる資格を早めにとっておくことかな。あと、友達や先生、アルバイト先など、社会に出るまでにもっといろんな人とコミュニケーションをとっておくことが大事だと思います。今は仕事なのでプレゼンテーションもしますが、すごく人と話すのが苦手だったんです。
阪井:本当ですか? まったくそんなふうに感じませんが…
大下:本当、本当。勉強以外のことでコミュニケーションしておくのってすごく大事ですよ。クライアントさんや多くの業者さんとの付き合いもあるし、コミュニケーションが活発にできれば感性も技術も広がります。
三好:先生によく質問に行くんですが、これからも積極的に続けるようにします!
阪井:私はエクステリアの設計がしたくて先生に相談したら、同じような仕事をしている卒業生を紹介していただきました。業界のお話を聞くことができて就職活動の参考になりました。
沖田:学業のことに関わらず相談にのってくださる先生がいるのでとても心強いですよね。
大下:先生方が親身なところは昔から変わらないですね。そういう環境を大いに生かしてください。ところでみなさんは、卒業後はどんなことをしたいと考えているのですか?
沖田:まずは専科に進み、二級建築士資格を取得するつもりです。そして福祉住環境コーディネーター、実務経験が積めたら一級建築士資格と取得したいですね。就職先としては、いちからデザインして、お客さまと話し合って完成まですべて携われる会社に入りたいです。バリアフリーなども考えた、1人でも多くの人が家に帰りたいと思えるような家をつくるのが目標です。
大下:すばらしい。そこまでプランがしっかりしているのだから、ぜひ実現できるようにがんばってください。
三好:そんな具体的なプランのあとに話しづらいな(笑)。私はまちづくりに興味があるので、設計だけじゃなくて、デザイン方面で造園なども一緒にできるような仕事がしたいです。今勉強しながら試行錯誤しています。阪井さんはもう進路が決まっていますよね?
阪井:私はエクステリア専門の設計の会社に就職します。設計から施工までしている会社で、設計をする予定です。この場所にはこの花、この木といふうに、修成で学んだことを生かしたいですね。大下さんは、今後はどんなビジョンを描かれているんですか?
大下:私は60~70歳までにやりたいことを全部決めているんですよ。
三人:えっ!? 70歳ですか?
大下:もちろん、見直しはしますよ。でも「何歳でこういう平屋に住みたい」とか、今まで実務に取り組むのに必死だった分、ちゃんと腰を据えて資格を取る勉強をしたいという計画もあります。中でも、老人ホームと幼稚園を建て、間に公園があるような建物を建ててみたいという考えがあります。
阪井:すごく素敵なアイディアですね。これからの時代にマッチしそうです。
大下:でも現状では、法律的な制約がいろいろあって難しいんですよ。いつか実現できるような時代が来ることを願っています。